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zoom RSS 『つづきの図書館』/柏葉幸子 ◎

<<   作成日時 : 2010/05/24 22:42   >>

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絵本の登場人物たちが「自分の物語を読んだ子の続きを知りたいいんだ〜!」と、飛び出してきた。
司書の桃さんは、彼らの願いをかなえようと色んな行動を起こすのだけど、何せ相手は絵本の登場人物たち。ドタバタと彼らに振り回されながら、桃さん自身も変わって行く。
柏葉幸子さんて児童文学の作家さんという認識でしたが、『つづきの図書館』は主人公・桃さんが40代ということもあって、とても親しみを持って読めました。一応、N市図書館ではYAのジャンルに分類されてましたが。

久しく会っていない伯母が入院している、と何度も連絡があり、仕方なく訪れた故郷の四方山市。ちょうど仕事が途切れていた桃さんに、伯母は自分の家に住めばいいと言う。伯母さんのつてで、図書館の司書の仕事も決まり、緊張の初出勤日、桃さんは図書館の二階で「裸の王様」に遭遇してしまう。

「図書館へ、はだかで来てはいけません。」
はだかの王様が現れ「青田早苗ちゃんのつづきが知りたいんじゃ!」と叫ぶ。早苗ちゃんの消息を探して病院で騒動を起こす王様。
「夜の遠吠えは禁止です。」
王様の次は、『オオカミと七ひきのこやぎ』の狼が、「小国潤一くんのつづきが知りたい」とうなり声を上げる。町中の犬を総動員して、思い出の場所に辿り着いたら。
「座敷童子だなんて思いません。」
今度は『うりこひめ』のあまのじゃくが現れて「佐藤のぞみちゃんのつづきが知りてぇ」と。だが、のぞみちゃんは行方不明になってニュースになっていた。
「幽霊と魔女がなかよしですか?」
何だかぼんやりした幽霊が現れ、「ベソちゃんのつづきが・・・」と言うのだが、本名も分からないし、本の中で一緒にいたはずの魔女も行方不明。原作本は地元画家の自費出版絵本だと言う。

なんとなく幸薄い感じの、ぼんやりした中年女性だった桃さんが、王様や狼やあまのじゃくに振り回されて、どんどん生気を取り戻していく様子が、とても楽しい。
桃さんが王様達を大切に思ってるのも、とてもよく伝わってくるし。
ほのぼのしながらも、ちょっとした人探しや、優しい感情の交流や、ごたごたや・・・。色んな事を経験しながら、桃さんが成長と言うと失礼だけど、人との関わり方などが変わって行くところがいい。
そして、各章の冒頭に出てくる、桃さんの大切な人への手紙が、だんだん長く、そして気持ちのこもったものになって行くのも、そういうところを上手く表現してるなぁ。

そして、最後の章は自費出版絵本が実は、桃さんにもかかわりがある物語だった。伯母さんとの関係や、父親と伯母さんのことや・・・。その物語が解決した時に、王様たちはいなくなってしまう。彼らが、安心したから。実は彼らは、「気になる子どもたちのつづき」を知った後も、「桃さんのつづき」が気になって元の絵本に戻らずにいたのだ。
代わりに、現れたのは・・・という終わりも、ほっとする温かさがあってよかった。

図書館のお仕事のことなんかは、あまり詳しくは出て来ないんだけど、桃さんが一生懸命にそして楽しそうに、過ごしている感じがいいですね〜。
それと、王様たちが挟まってる本、ウチにもあったらいいのに・・・(笑)。
多分私も、初めて絵本の登場人物たちが出てきたら「ぎゃっ!」とか言って慌てふためき、「若い娘みたいな反応するんじゃないよ」と言われそうですが(^_^;)。
ウチにあの本があったら、どの絵本の登場人物が出てくるかしら。想像したら、楽しくなってきました。
でも、裸の王様が家の中をうろうろしてたら、やっぱり困るかしらん(笑)。

(2010.05.22 読了)

つづきの図書館
講談社
柏葉 幸子


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つづきの図書館 柏葉幸子 山本容子絵 
「つづきが知りたい」と、読み終わった本を目の前にして 思う事・・何度もある。主人公に感情移入して、まるで 自分の一部のようになってしまった時は、特に。 もしかしたら、本の方も、読んでくれた人に対してそう思って くれてるのかも・・というのが、この物語の設定。 だから、「つづきの図書館」というのは、本の続きではなくて、 読んでいた人、読者のつづきです。 ...続きを見る
おいしい本箱Diary
2010/06/02 22:21
つづきの図書館(柏葉幸子)
面白かった!そして、最後は思わず涙・・・。 ...続きを見る
Bookworm
2010/06/11 17:07

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは!本たちが、読んでいた人の事を気にかけてくれる・・という発想の楽しさが良かったですよねえ。だとしたら、水無月・Rさんや私のように、本を読みまくる人間は、けっこうたくさんの本たちに気にかけてもらってるかも?何て事を考えて、ほんわかしました。ラスト、とっても良かったですよね。桃さんがなぜ、人付き合いが苦手になっていたのか、そのあたりの事が何も書かれていないのにわかったような気がしたのは、私も同年代だからでしょうか(笑)
ERI
2010/06/02 22:34
ERIさん、ありがとうございます(^^)。
是非私は、有川さんの作品の登場人物に、気にかけてほしいですね〜(笑)!(←いろんなところで間違ってるような気がする・・・)
桃さんの変わっていく様子は、同年代として元気づけられますね。
私も、分かるような気がします(笑)。
水無月・R
2010/06/02 22:49
こんにちは。
水無月・Rさんのレビューを読んで、すぐに図書館から借りてきました。…買えよ!という突っ込みはなしで(笑)

とっても良かったです!楽しく、あったかく、ちょっとホロリでした。章の最初にでてくる手紙の内容がだんだん長く親しみを込めたものになっていくところにも、桃さんの変化を管z似られて良かったですね。
私も読んだ本の登場人物たちに探してもらいたいな〜と思いました(笑)有川作品なら…むふふふ…(妄想拡大中)
すずな
2010/06/11 17:15
あ;;;
なんだかすんごい変換になってます^^;
「管z似られて→感じられて」です。す、すみませんm(__)m
すずな
2010/06/11 17:17
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
変換、お気になさらず♪私もよく、あちこちでカオスなコメントをしています(笑)。
桃さんが、だんだん変っていくところが、素敵でした♪

有川作品の登場人物・・・いやん、某鉄血宰相とかいたら、喜びのあまり鼻血まき散らしつつ、吊るされたいと思います(^^)。
水無月・R
2010/06/12 22:27

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