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zoom RSS 『バイバイ、ブラックバード』/伊坂幸太郎 ◎

<<   作成日時 : 2011/10/01 22:53   >>

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星野一彦は、2週間後〈あのバス〉に乗らなければならない。彼が何をやらかしたかは不明なのだが、〈あのバス〉は乗ったが最後、たどり着く先は地獄よりも酷いという。一彦が逃げないように見張り役についたのは、繭美という180センチ180キログラムの巨躯の女。一彦は〈あのバス〉に乗る前に、同時進行で付き合っていた5人の女たちに別れを告げたいと言い出し、女たちに「繭美と結婚するから」と伝えて回る。
伊坂幸太郎さんらしい、爽快さのある作品でしたねぇ。いろいろ謎な部分は残ってるし、伏線もあんまりなかったけど。それでも面白かったわ〜、『バイバイ、ブラックバード』
太宰治の未完作品『グッドバイ』から発想を得て作られた作品ということだそうですが、元ネタ作品を読んでなくても、楽しめましたよ。

五又ですかぁ・・・、出来るんですかねぇ、実際のところ(笑)。
そして普通、五又もするような男は駄目男か嫌な奴なんですが、妙にずれてて、憎めないというか、なんというか。
そして、その一彦と一緒に行動してる繭美のインパクトの強さったらありません(笑)。
ものすごい巨躯な上、態度はでかい、口は悪い、人を傷つけることが大好きと来てるんだから、たまらない。「親切」「思いやり」などの語句をマジックで消してある辞書を持ち歩き、「ほら、私の辞書には○○って言葉はないんだよ」なんて見せびらかす。あはは、やることが徹底してるよ・・・(^_^;)。なのに、なんでだろう嫌いになれないんだよねぇ。すごいなぁ。
ある意味、すごく自分に正直なんだよね〜。かといって、友達になれるとは絶対に思えないけど。

「バイバイ、ブラックバード T」
イチゴ狩りで出会った、廣瀬あかり。別れの条件として、大盛りラーメンを食べることになった一彦。
「バイバイ、ブラックバード U」
刑事に車を奪い取られたときに出会った、霜月りさ子。一彦は、彼女の車に当て逃げをした犯人を捜したいという。
「バイバイ、ブラックバード V」
夜中にロープの束を肩にかけていた、如月ユミ。彼女は、別れ話を切り出した一彦に「今それどころじゃない」という。
「バイバイ、ブラックバード W」
耳鼻科で知り合った、神田那美子。乳がんの疑いがあり、検査結果を聞きにいかねばならないという。
「バイバイ、ブラックバード X」
CMの撮影現場で知り合った、有須睦子。彼女は一彦とは別れないと主張する。
「バイバイ、ブラックバード Y」
とうとう、〈あのバス〉に乗り込む日になった。ところが直前、繭美が何者かに攫われ、あわてて追いかける一彦。
一彦は〈あのバス〉に乗り、それを追うために、繭美はエンジンのかかりの悪いバイクをスタートさせようとする。

最後の章で、繭美が「びっくりすることをしてやろうか」と言い出す。いやぁ、私もびっくりしたわ。これは一彦の魅力というか人の良さに、あの〈人間離れ〉という言葉がぴったりの繭美も毒されたんですかねぇ。五又男の面目躍如、真骨頂というやつでしょうか(笑)。
しかも、一彦はその申し出に乗らない。そして、〈あのバス〉に乗る。繭美に「助けてくれよ」と軽く言って。
繭美は通りがかりの男から辞書を借り、バイクを借りようとする。バイクのスターターをあと十回、と言いながら、キックする。表現として、現在形「キックする。」が使われるのだが、最後の一回は過去形「キックした。」になっている。
きっと、この後バイクのエンジンがかかり、繭美は組織のこと無視して猛然と〈あのバス〉に襲い掛かるのだろう。爽快だ。

繭美が所属する組織、一彦がやらかした金銭がらみ+失態(?)のトラブル、〈あのバス〉の行先、この物語の後繭美がどれだけ大暴れするのか、はっきり語られないことは色々あるけど、それでもすっきり終われるのが、すごい。
面白かったんで、太宰の『グッド・バイ』を読もうかな…なんて気になりました。

(2011.09.29 読了)

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Postal Novel 伊坂幸太郎 双葉社発行年月:2010年07月 ページ数:270p サイズ:


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バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎
バイバイ、ブラックバード著者:伊坂 幸太郎販売元:双葉社発売日:2010-06-30おすすめ度:クチコミを見る オススメ! ネタバレあります 「バイバイ、ブラックバード?」 星野一彦は ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2011/10/01 23:39
バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)
面白かった〜!かなりトンデモナイ設定だったけど(笑) ...続きを見る
Bookworm
2011/10/04 12:31

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^
私は太宰治の「グッド・バイ」を読んでから読みました。
本当に大まかに分かって読んだっていう感じで^^;別々にそれぞれ面白かったです。
星野ちゃんのあの魅力はなんなんでしょうかね^^;5マタもしていたのにか許してしまうような雰囲気を感じます・・・
苗坊
2011/10/02 00:48
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
あの魅力というか妙な引力は、摩訶不思議ですよね〜。付き合う女性たちも、なんだかふわふわしてて、お似合いといえばお似合いなんだと思いますが。
あの彼女たちの間で、それぞれ真剣に付き合って選べないというのなら、5股も許せるような気がしてきてしまう…何でだろう(笑)。
水無月・R
2011/10/02 21:30
詳しい説明が無いのに、割合すんなり〜と物語に入って行けるところが伊坂さんの凄いところですよね。
最初は「五股っ!?」と驚いたものの、読んでいくうちにそれも納得しちゃったというか何というか…^^;繭美じゃないですけど、最後には私もすっかり星野に魅了されちゃってました(笑)
すずな
2011/10/04 12:40
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
五股はないよなぁ…ひどい男だ、って最初は思ってたんですが、いつの間にか一緒に協力したくなってしまうのが、凄いですねぇ。
伊坂さんって、ほんとにこういう飄々とした人物を描くのがうまいですね♪
水無月・R
2011/10/04 14:41

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