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zoom RSS 『忍び秘伝』/乾緑郎 ○

<<   作成日時 : 2012/04/23 17:32   >>

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時は戦国。武田家隆盛期から衰退期までの裏側で、太古から諏訪の地にいる〈兇神〉を操り天下を取らんと画策するもの、〈兇神〉を下される巫女、戦乱のさなかにも己が一族の地所を守らんと心を砕くもの、様々な人々の思いや策略が錯綜していた。
いやしかし、あの時代のことあんまり詳しくないんで、おおぜいの武将の名前やら忍者の名前が出てきても、いまいちピンと来なくて・・・、最初の頃はうだうだ読んでたことをここで告白します・・・(^_^;)。
ですが、後半は登場人物の把握もできるようになり(多少減ったし)、物語もどんどん佳境に向かって盛り上がったので、割と調子よく読めました。
乾緑郎さんは、初読みですが、「このミステリーがすごい!」の大賞作家さんですよね。
ちなみにこの『忍び秘伝』は、ミステリーではないと思いますが。

諏訪家が封じていた〈御左口神(みしゃぐちしん)〉を呼び寄せ、川中島の合戦を阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き込んだ男、山本勘助。〈御左口神〉を呼び寄せるための経文を所持する、加藤段蔵。
この二人、人道を外れ怪しげな術を使いながら武田家に取り入りつつも、本心は自らの天下取りである。
何も知らない歩き巫女(女忍びでもある)見習いの小梅は、利用されながら兇神の姿を見、兇神に惑わされない武藤喜兵衛(のちの真田昌幸)に心惹かれる。
御左口神を従えるための最後の外法を行おうと、小梅をかどわかし蓼品山の火口へ来た段蔵と勘助だが、後を追ってきた喜兵衛と小梅の巫女仲間・桔梗に追い詰められた末、御左口神に食い殺される。
その際、勘助の正体が明らかになり、勘助は期せずして御左口神を封じる存在となり、物語はいったん終わりを迎える。
終章で、小梅と喜兵衛が再会したのち、小梅が身ごもり旅路で育てている子供の名は「佐助」。
佐助は「いつか父の役に立てるといい」という小梅の言葉に力強く頷く。

勘助と段蔵の関係というかからくりというかが最後に分かってビックリ。
そういえば、物語の最初の方で「山本勘助だけはすでに知っていた」と、数回かかれていたっけ。そういうことかー!この辺は歴史ものというよりは、ファンタジー寄りですな。
それから、小梅の子供の名前が「佐助」というのも、なるほどです。のちに真田に仕える伝説の忍び、ってわけですね。

そういえば、御左口神の描写が、やたらおどろおどろしいなぁ〜、と思ったら巻末の参考文献一覧に『クトゥルー神話事典』が入ってました。なるほど、日本古代の悪神のつかわす妖生物にしては、姿が透明にぼやけたりしてると思ったら、描写的にそっち系統だったんですね。

なんか感想が難しいなぁ。いかんせん、戦国の知識が弱いんですよね、私。
後半けっこう面白かったんだけど、それは多分小梅と喜兵衛の心の交流的な部分がよかったからで。
それと、巫女頭の望月千代や巫女仲間の桔梗や山茶花、親方の姥百合などの魅力的な女性登場人物が、サラッとしか扱われてなかったのが残念でした。
桔梗が金髪碧眼の異人である必要性が、あんまり感じられなかったしな〜。

多分、「忍術伝奇もの」が好きな人にいいと思いますね。
逆に「歴史もの」が好きな人には、受け入れられにくいかな。いろいろ、ひねってる部分があるから。
さらに言えば私、どうしてもNHK大河ドラマのイメージにとらわれちゃって、人物像を重ねられない登場人物もいました…(^_^;)。

(2012.04.22 読了)

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乾緑郎 朝日新聞出版発行年月:2011年10月 予約締切日:2011年10月05日 ページ数:282


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