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zoom RSS 『GOSICK Z 〜薔薇色の人生〜』桜庭一樹 ○

<<   作成日時 : 2012/05/12 23:30   >>

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時は、20世紀。世界を揺るがした、あの二つの大戦のはざま。ヨーロッパの架空の小王国・ソヴュールの聖マルグリット学園に、欧州最後にして最大の頭脳を持つ〈灰色狼〉の血を引く少女・ヴィクトリカと、その友人である日本からの留学生・久城一弥がいる。二人の過ごした、波乱に満ちつつも平穏であった日々は、終わりを告げつつある。世界を揺るがす最後の大戦、その予兆を孕みながら描かれる、桜庭一樹さんの『GOSICK Z 〜薔薇色の人生〜』
ヴィクトリカによる10年前の〈ココ王妃殺害事件〉の謎解きの合間に、ヴィクトリカの母・コルデリアの過去・現在がさしはさまれる。

父・ブロワ侯爵の指令により異母兄・グレヴィールに連れられて、首都ソヴレムの劇場・ファントムに向かったヴィクトリカ。ヴィクトリカ連れ出しを止められなかったセシル先生は、一弥に手紙を残し、グレヴィールのトランクにもぐり込む。一弥は、首都の劇場で〈ソヴレムの青い薔薇〉が上演されることを知った、学園の寮母・ゾフィの運転するオートバイの後ろに乗り、ソヴレムに向かう。
ファントムで母・コルデリアの踊り子時代を知っているジンジャー・パイと知り合い、その後ブロワ侯爵から〈ココ王妃殺害事件〉の真相を解けと命令される、ヴィクトリカ。ブルーローズと言われたココ王妃にそっくりで、「下町のブルーローズ」と呼ばれたニコル・ルルーについての調査を、合流した一弥とセシル先生に依頼し、現在上演される〈ソヴレムの青い薔薇〉の女優2人一役から発想を得て、〈ココ王妃殺害事件〉の謎を解いてみせる。ただし、誰が、王妃を殺害したのか、と言う点は「わからない」と言い切って。
舞台の最中に、舞台袖に一人佇むヴィクトリカを襲う、「陛下」と「ロジェ」。あわやというところへ飛び込み、阻止した一弥。そして、ヴィクトリカは彼らを前に、事件の真実を語る。
舞台の成功の後、ジンジャー・パイは懐かしい者とすれ違い、一弥はヴィクトリカにクリスマスプレゼント+αを買い、セシル先生はゾフィのオートバイの後ろに乗って学園へ帰り、ヴィクトリカ一行は学園そばで上品な夫人とその召使を馬車に同乗させる。

ヴィクトリカの異母兄・グレヴィール・ブロワ警部が、ホントに笑える。ヴィクトリカとのやり取りが、なんともトホホで。う・・・水無月・Rのトホホ萌え魂が揺さぶられてしまう〜♪前作ぐらいから、結構グレヴィールが気になってきた私ですが、ますます目が離せなくなってきました。父・アルベール・ブロワ侯爵を恐れ、従いながらも、それでも何故かヴィクトリカとの兄妹の絆のようなものがあるような気がします。もしかすると、最後の最後で父には従わず、妹を救うんじゃないか、なんて期待してしまいますね。

逆に、コルデリアの回想により、ブロワ男爵のあまりにも酷い行為に鳥肌が立った。もちろん恋愛関係であったとは思っていなかったけど、こんな、人を人とも扱わないそんな・・・。今後もオカルト省の勢力拡大のためには、どんな人でなしで酷薄なこともやるだろうと思うと、背中が寒くなってくる。

ジンジャー・パイと懐かしい者の巡り会いは、心温まるものがありました。途切れぬ絆はあり、お互いを思いあう心は失われることはない、そういう風に感じました。

そして、ラストに飽かされる、〈ココ王妃殺害事件〉の、さらなる真実。
実をいうと、もしかしたらそうかな、と思ってました。ココ王妃が、祖国フランスから連れてきた『顔のよく似た侍女』の存在。ただ、そんな見事な入れ替わりがあの突発的な状況に行われたのか、そしてその侍女の覚悟の重さを知って、痛ましい思いをしました。あの婦人は、息子と幸せに暮らしているけれど、犠牲を払ってくれたものに対して、思いを抱いているのだろうか…と、ちょっと気になりました。

さてさて、一弥がずいぶん、しっかりと成長してきましたね〜。国家機密だからとヴィクトリカに遠ざけられてもヴィクトリカを襲う科学省のロジェの前に立ちはだかり、組み付いてそれを阻止したり。聞き込み調査も、案外上手にやってのけます。何より、ヴィクトリカを大事に思う心が、本当に素晴らしく成長した!大体、あのヴィクトリカと小突きあいながらも手をつないで歩ける人なんて、一弥以外にいないもの。
二つ目の嵐が、二人を引き裂くことは、阻止できないかもしれない。でも、共にあると誓った二人が、唯一の故郷と感じている学園へ共に帰り、騒がしくも平穏で温かさに満ちた日々を送れるようになることを、願ってやみません。

そういえば、セシル先生がいい味を出してましたね〜。丸っこい眼鏡をかけた、可愛らしい先生なんだけど、ヴィクトリカを守ることにとても力を尽くしてくれる。それから、自分が女学生だった時代からの友人、ゾフィが自分に距離を感じているようでも、それをぱっと乗り越えて、友情を示してみせる、軽やかさ。素敵な女性だと思います。

これから、世界中を席巻する、嵐。ヴィクトリカはどうなるのか、そして、二人の行く末は。
気になることが本当にたくさんあります。ああ、早く続きが読みたい〜。

(2012.05.11 読了)

GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-03-25
桜庭 一樹

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