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zoom RSS 『GOSICKsW 〜冬のサクリファイス〜』/桜庭一樹 ○

<<   作成日時 : 2012/07/06 17:20   >>

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世界を揺るがした二つの大戦の合間の、かりそめの平和な日々。ヨーロッパの小王国・ソヴュールにある聖マルグリット学園では、クリスマス休暇を目前に、人間が駒に扮して行うリビング・チェス大会が行われようとしていた。
騒ぎをよそに、読書にいそしむヴィクトリカ、騒ぎに巻き込まれつつもヴィクトリカを気にする九条一弥、大会を視察に来た警視総監夫人・ジャクリーヌ、ヴィクトリカの兄であるブロワ警部・・・さまざまな人物たちが、ヴィクトリカが過去に解いた事件について回想しながら、チェス大会にかかわっていく。
本作『GOSICKsW 〜冬のサクリファイス〜』は、桜庭一樹さんの描く『GOSICK』シリーズ最終編の直前の番外編の物語。
 『GOSICKZ 〜薔薇色の人生〜』で、アブリルが準備しようとしていた、チェス大会の本番の1日が、楽しくも穏やかに描かれていきます。

「第一話 白の女王は君臨する」
ブロワ警部の髪が大砲のようにとがった理由。
ジャクリーヌの濡れ衣を、ヴィクトリカが解き明かした事件。
「第二話 黒の僧侶は祈りをささげる」
ブロワ警部の部下、イアンとエバンが常に手をつないでいる理由。
マルグリット学園のある村で起こった、誘拐事件。
「第三話 黒の女戦士は駆け抜ける」
ブロワ警部の大砲(笑)が、流線形に捩じられた理由。
村に住んでいた、世界的人形師の死亡推定時刻を示唆するヴィクトリカ。
ブロワ警部のビスクドール好きは、ここから始まる。
「第四話 騎士は小さな姫にかしずく」
ブロワ侯爵(ヴィクトリカ達の父)が片眼鏡をかけている理由。
ヴィクトリカ出生当時の事件を、混沌の欠片から推察する。
「第五話 忠臣たち」
白と黒の軍勢が戦っている。繰り返し、繰り返し・・・・。
酷薄なファンタジー。現実とは、分け隔てられた空間。
だが、現実もまた、戦いの気配を孕んでいる。

1日で、いろんなコトがわかりましたねぇ。
ブロワ警部のドリル頭ファン(←酷い)の水無月・Rとしましては、彼のドリル頭の変遷の歴史を知ることが出来て、満足でございます。しかしホントに、トホホな人だなぁ、ブロワ警部!好きと言えずにもじもじしてるうちに、初恋のジャクリーヌは微笑んで手を振ってお嫁に行ってしまうし、再会しても「ホントにあなたはいいお友達!」と言われてへどもど。
女性と見まごうほどの美貌を、昔はさらさらと流れる見事な金髪で縁取ってたのに、今では二股ドリルで子供たちに戦車扱い・・・。後悔も、恨みも、すっごくしてるけど、約束は守り続けてるし、なんだかんだ言って、妹のことを気にかけている。トホホで、いい人だ〜。これはもう、是非、最終的にヴィクトリカを救う騎士になってほしい!と願ってやみません。(ヴィクトリカには愛など判らない、と思いつつ「しかし、ほんとうに・・・?」と思うようになった、この兄を私は信じたい。)

セシル先生と寮母のゾフィも、元気で可愛らしくて、そして篤い友情のお手本のようです。この二人の友情を見てたら、ヴィクトリカと一弥、そしてアブリルちゃんだって、友情の素晴らしさがよくわかるはず。学園では大人の立場なのに、生徒たちと一緒になって大騒ぎ、校長先生に叱られちゃうんですから。
そして、何より相手を本当に好きで、大切に思ってて、一緒にいられることを本当に楽しんでいる。大人になってもこういう関係って、素晴らしいですよね。

そしてそして、やっぱり一弥のトホホ感が素敵です〜。ひっきりなしにヴィクトリカに蹴っ飛ばされ(しかもだんだん狙いが正確に(笑))、未知の果物の毒味役をさせられ、かと思えば姉上手作りのピンクのはんてんを着てたり。ああんもう、可愛いったら!やっぱりヘッドロックかまして「ういやつめ〜!ういやつめ〜!」と撫でくり回したい!
だけど、成長してもいるんだよねぇ。なんか、最初の頃の危うい感じが全然ないもの。いろんな経験をして、少年は成長していくのよね〜。嬉しくもあり、残念でもあり(笑)。

さて、喧噪の冬の一日を終え、物語は本題に入るのだろうと思います。
世界最後の大戦は、二人の運命をどう動かしていくのでしょうか。
第五話で語られた、『黒の女王を襲う隻眼の吸血鬼』が示唆するものとは。チェスの駒たちが繰り返す戦いとその合間の〈惨めで幸福な瞬間〉とは。
アブリルがルームメイトから「初恋は叶わない」と聞き「叶える人も、いるんじゃないかな」とつぶやくこと。
様々な伏線が、ひっそりと張られて、この物語は終わりを告げる。
多分、ヴィクトリカと一弥の穏やかな日々も。

(2012.07.05 読了)

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『GOSICK V 〜青い薔薇の下で〜』
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『GOSICK [ 上 〜神々の黄昏〜』
『GOSICKs 〜春来たる死神〜』
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