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zoom RSS 『残り全部バケーション』/伊坂幸太郎 ○

<<   作成日時 : 2013/06/21 19:54   >>

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伊坂幸太郎さんの「散りばめられ張り巡らされた伏線が、物語のラストに向かって見事に回収される」という作品傾向、すっごく好きなんですよね。怒涛の展開の中、「あれも伏線だったのか!」とすっきり感が味わえるんですよ。
で、本作『残り全部バケーション』は、どうだったかというと。
ちょ〜っとだけ、物足りないかな?いや、私が期待しすぎてたんだと思うんだけどね。
面白いのよ、うん。ただ「伏線回収の名手・伊坂さんなら、私の度肝を抜くはず」「これって、どんな結末の伏線だろ?」って、ワクワクしすぎちゃったのよね。いわゆる期待の空回りってやつですか(笑)。

悪事の下請けをする2人組。若くてちょっと変わり者の岡田と、勢いで仕事をする中年男・溝口は、元請けから独立して事業主になろうとしていた。だけど、岡田が「人の泣き顔を見たくないから仕事を辞めたい」と言い出し、溝口は「下請けからの独立は岡田が主犯だ」と元請けへ虚偽の報告をする。そのため、岡田は元請けの組織に追われ…。

「残り全部バケーション」
岡田が組織に追われる経緯と、溝口とのコンビ解消のために出された条件〈ナンパメールで友達を作れ〉で、友達?になった解散直前家族とのドライブ話。
「タキオン作戦」
岡田と溝口が仕事の最中に出会った小学生は、父親からの虐待を受けていた。岡田が少年を救うために、その父親に仕掛けたトンデモ作戦とは。
「検問」
岡田が消えた後、別の男と組んで仕事をする溝口。女を攫って盗んだ車で移動中に、検問に出会う。検問の後、車のトランクを開けると、何故か大量の札束が。警察はそれを見逃したのか?ドミノ倒しのような作業分担。
「小さな兵隊」
岡田の小学生時代を知る、映画監督へのインタビュー。なぜか映画のことではなく、岡田のことばかり聞かれる。
「飛べても8分」
溝口がケガで入院した。たまたま、元請けの親玉・毒島も同じ病院に検査入院している。毒島は命を狙われているようだ。溝口がやろうとしたこと。毒島が明らかにしていなかったこと。意外な結末に、メールが来る。誰からの、メールか。

時系列が入り乱れ、視点も変わり、それぞれが別の物語のようで、岡田に関連している。溝口は岡田が姿を消した後も、岡田のことをずっと気にかけていたんですねぇ。いい加減で、その場の勢いで事をこなしてるような男だけど、岡田の飄々としたところを気に入ってたんでしょうね〜。で、最後にああいう行動に出た、と。
最後に溝口の新しい相棒・高田に来たメール、誰からでどんな内容だったんでしょうねぇ。
きっと、みんなが期待してる相手だと思うんですよ。焼肉屋じゃなくて(笑)。

「タキオン作戦」が好きでした。「人を騙すには、真実とか事実じゃなくて、真実っぽさ」ねぇ・・・。うん、そんな気はする。それっぽくて、小難しかったりすると、あっさり騙されちゃいそうだもの。私なんか単純バカだからなぁ(笑)。
荒唐無稽なのに妙にリアルっぽい設定を作って、虐待父親を騙して忠告をする。こういう男なら、他人は信じないけど〈自分〉の言う事なら信じるんじゃないかっていうのが、発想として凄いなって思う。

岡田にしろ、溝口にしろ、溝口のその後のコンビ相手達にしろ、なぜか悪事を働いてるのに緊張感も罪悪感もない。なんだか軽〜く悪事をこなしてるので、憎めない感じ(笑)。根っこは悪い奴じゃないかも?なんて思ってしまう。
いやいや、当たり屋は犯罪よ?誘拐も、器物損壊もね?・・・え〜と、そうでしたよねぇ?(^_^;)

伏線回収に関しては、テンポよくずんずん進んで行って、あるレベルまでは「うぉっ!爽快!」って思えるんですけど、期待値が高すぎて「きっとこれも伏線」「あれも伏線」「どれもこれも絡まって怒涛の伏線回収!」って思ってたので、ちょっと肩すかしになっちゃったのが残念でした。いえ、私が悪いんですけど(^_^;)。
大体、そんな伏線だらけの人生、大変すぎる(笑)。
普通に生きてくだけで疲れちゃうよ、きっと(笑)。

スイーツ食べ歩きブログのサキちゃんは、第1章「残り全部バケーション」の解散寸前家族の娘・沙希からとったのかな?
スイーツ好き仲間、みたいな感じで仲良しになってたりしたらいいな、なんて思ったりして。
しかしあれですね〈人生の残り全部、バケーション〉って、いいですよね〜、うん。すごくいい。
私が「残りの人生全部バケーション」になるのはいつの日やら(笑)。

(2013.06.20 読了) 

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残り全部バケーション 伊坂幸太郎
残り全部バケーション著者:伊坂 幸太郎集英社(2012-12-05)販売元:Amazon.co.jp オススメ! 「第一章 残り全部バケーション」 岡田と溝口は今日も毒島から受けた下請けの仕事をこなして ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2013/06/22 22:17
バケーションのような楽しさと
小説「残り全部バケーション」を読みました。 ...続きを見る
笑う社会人の生活
2015/05/09 00:28

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^
期待しすぎちゃったんですか^^;
アンソロジーで書かれていたのを読んでいたのですがそれをすっかり忘れていたので、それを思い出しながらの読書なので期待とかあまり考えていませんでした。
最初は溝口がただただ酷い男だと思っていたのですが、読んでいくうちに良い奴なのではと思っていったのが不思議でした^^
「残りの人生全部バケーション」って良い言葉ですよね〜
苗坊
2013/06/22 22:21
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
えへ。ちょっと、やっちゃいました(笑)。
溝口…行き当たりばったりな男に見えて、実はいい奴だったんですよねぇ。
ええ、いつか「私も残り全部バケーションよ〜」って胸張って言える日が来てほしいものです(笑)。
水無月・R
2013/06/23 13:35

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