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zoom RSS 『輝天炎上』/海堂尊 ○

<<   作成日時 : 2013/10/16 17:25   >>

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あの【バチスタ・スキャンダル】から約3年・・・。
本作『輝天炎上』は、〈桜宮サーガ〉最終巻、『ケルベロスの肖像』のアナザーサイドストーリーという事になるんだと思うんですが、いやはや、オールスター総出演、って感じでしたねぇ!
相変わらず、「え〜、この名前の人、どこの誰だっけ?」な記憶力が目の粗すぎるザル状態の水無月・R、あたふたしながら読んでおりました(笑)。
とりあえず海堂尊さんの登場人物総動員力には、ホント素晴らしいなぁと感心するばかりでございますよ。

いやぁ、何から書いたらいいのか…。
出来事はほぼ『ケルベロスの肖像』(まあ他の〈桜宮サーガ〉シリーズとも複雑に絡み合ってるんだけど)同じなんだけど、あちらは田口センセが主人公で、こちらは落ちこぼれ医学生でありアンラッキートルネード・天馬大吉を主人公として、彼の追う桜宮の闇の一族である死の女王・桜宮 小百合サイドの物語も加え、「何故ケルベロスの塔は崩壊させられねばならなかったか」という一点に向けストーリーが上り詰めていきます。
「ケルベロスの塔は炎上・爆発・崩壊する」というラストは判っているし、その下手人すらも判っているのに、それでもここまでぐいぐいと引き込まれてしまうんだから、ホントにすごいものです。

まあ、ストーリーを追うことも系統立てて感想を書くことも私には無理なので(笑)、思ったことを羅列していこうと思います。

まずは、なんといっても田口センセの評価ですね(笑)。
どうしてこの人、舞台裏を知らない人たちからこんなに誤解されちゃうんでしょうねぇ。高階院長の十八番・秘儀丸投げで地獄に転がり落とされ、散々っぱらキャラが濃くて頭のよすぎる面々に鼻面を引き回され、そして周りの女性はタフネスでやや女難気味、ホント「アンラッキー中年」の面目躍如(?!)、って立ち位置なのにな〜。
天馬から、見かけによらず自己顕示欲が強いとか、怖ろしく頭のまわる腹黒とか、立ちはだかる巨大な壁とか、色々凄い事思われてるので、そういう描写が出るたびに「天馬君、それは違〜う」とツッコミを入れながら読んでました。
田口センセはねぇ、東城大学の良心と言われるほど、真面目で真摯な先生なのよ〜。危険察知能力が異様に高いのに、それを回避することが何故か出来ないだけで、いつの間にかあんなことになっちゃうのよねぇ(笑)。
そうだ、女難と言えば、天馬も女難ですな。ていうか、海堂作品の男性陣て、鈍すぎだと思います。どうして出て来る女性陣はたいてい類稀なる美女で、しかもそれぞれとある登場人物にかなり思い入れてるのに、その人物が全然とんちんかんなんだろう・・・。もったいないなぁ、もう〜。って思いはしますが、彼らがとんちんかんなおかげで、物語はシリアスで進むんですよね(笑)。このシリーズでラブコメやったら、世界観ぶっ壊れるわ〜(^_^;)。

実は最初の頃、天馬君がやさぐれすぎてて、読み進めるのに手間取りました。でも、レポートのためにあちこちへ「死因究明と解剖とAi」についてインタビューにいき、事態に否応なく巻き込まれ、だんだんと全貌が見えてくるにつれ「自分の正義」や「自分の目指すところ」に気が付き、そこへ向かって歯を食いしばりながら進んでいく姿には、ちょっと目を見張るものがあったな。彼が目覚めていくにつれ、物語の速度が増す感じがしました。
まあ、白鳥登場からは、もう急転直下って感じ。相変わらず、白鳥の火喰い鳥っぷりったら、凄まじいものがありますな。
それ以降は、あちこちで丁々発止のやり取りが展開し、闇にまぎれ暗躍する者、それを阻止するために奔走する者、策略とともに力技が炸裂し、ホント緊張感の高まる読書でした。

私が初めて読んだ海堂作品が『螺鈿迷宮』。そこで表舞台にあふれ出た、桜宮一族の怨念。
〈年号シリーズ〉〈バチスタシリーズ〉〈北の再生〉〈南の挑戦〉と、様々な出来事を経て(読み続けて)、ここにたどり着いたんだなぁ、って、感慨が深いです。東城大病院、色々大変なこと起こり過ぎですよ(笑)。そのまっただ中で右往左往しながら、何とか潰されることなく医療を守りながら進んでいく、医療関係者たちの意志の強さには、本当に感動します。
東城大学医学部付属病院は、今作の一件で満身創痍で形を変えながらも生きながらえ、これからも医療の重要な一角を担っていく。
『良心』たる田口センセに、更なる苦労や災難を負いかぶせながら。他のメンバーだって、様々な困難に立ち向かわなくてはならないだろうけど、それでも医療というものが、真実患者のためにあろうとすること、それを守ろうとする人々がいるという事は、私たち患者予備軍にとっては、心強い事です。ぜひ、現実でもそうあってほしいものですが、・・・どうなんでしょうねぇ。

『ケルベロス〜』の塔炎上のラストで「逃がさないわよ、小百合」と言ったのは、誰だったのか。炎の向こう側で天馬と小百合が対峙した時、何が起こったのか。今作できちんと描かれたようで、まだ最終的な判断が下せないようなラストシーン。これはもう、読者の期待が膨れ上がっちゃうじゃないですか、海堂さん!
未だ描かれていないエピソード、複雑に絡み合う人間関係や因縁の糸、全部が全部解きほぐされることは無理だろうけど。これからも、スピンオフ的に発表されていくといいなぁ、って思いますね!
一つの事態は、これで終息したのだろうけど、〈ひと〉が生きていく限り、新たな出来事は必ず発生するのですから。

だってねぇ、こんなにもキャラが濃くて、主要登場人物全員が二つ名を持つような世界、何かが起こらない方がおかしいですもん。それぞれ目指すところは、いまだ達成されてないんだし。あまりにも、遠いゴールだけれど、信念を持って進んでいく彼らの姿を、また読みたい、と希望しますよ、私。

ところで、追加。
廊下トンビ・兵藤も健在で、うれしい限りでしたねぇ。ただし、天馬たち医学生からはかなり不評のようですが(笑)。偉そうにふんぞり返ってるんだけど、そのせいで小者感が漂ってしまうという、なんてトホホな人なんでしょうねぇ!いいですよ〜、兵藤先生。アナタはその路線を貫かないと、面白くありませんからねぇ♪ずーっと緊張しっぱなしじゃ、読者も疲れちゃいますから(笑)。息抜き的存在、物語のオアシス、素晴らしいじゃあ〜りませんか(笑)。

なんか、非常にとりとめが無くなっちゃいました(^_^;)。
このあたりで失礼したいと思います。

(2013.10.16 読了)

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海堂尊 角川書店 KADOKAWA発行年月:2013年01月 ページ数:397p サイズ:単行本 I


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タイトル (本文) ブログ名/日時
輝天炎上(海堂尊)
「螺鈿迷宮」の続編であり、「ケルベロスの肖像」と対をなすような作品。 ...続きを見る
Bookworm
2013/10/18 12:47

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いままでの集大成!って感じの作品でしたね。今まで色々とクレームも付けてきましたが、ここまで読めて良かったと思いました〜^^;・・・でも、またスッキリしないラストで何かしらの続編がありそうですけどね(笑)
懐かしい人たちも登場して、テンションが上がったりもしたし、概ね楽しい読書が出来たかな、と思います。
・・・って、何気に上から目線のワタシです(笑)
すずな
2013/10/19 06:43
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
そうなんですよぅ〜、まだまだ続きはいくらでも出そうで、期待しちゃいます。
は是非、海堂さんにこれから先を書いていただかないとね♪
だって、田口センセがどうやって教授になったか、その辺のこと知りたいじゃないですか(笑)。どんだけ酷い目にあったのか、ねぇ(^_^;)。
水無月・R
URL
2013/10/20 22:54

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