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zoom RSS 『雪月花黙示録』/恩田陸 ○

<<   作成日時 : 2014/05/19 16:55   >>

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恩田陸さんて、こういうのも書くんだぁ〜。びっくり〜。
なんか、しんしんと怖い・・・、っていうイメージだったので、ハイテンションに突き抜けた未来型ハイパーアクションな物語に、度胆を抜かれました。
面白かったんで、結構すごい勢いで読んじゃいましたよ、『雪月花黙示録』

進んだ文明を取り入れつつも、古き良き日本を模して栄える「ミヤコ」。
物語の舞台となる「日本」は、この「ミヤコ」と資本主義の享楽に溺れて生きる「帝国主義エリア」の2色に染め分けられている。二つは対立しつつ力は均衡していたと思われたが、第三勢力とも思える「伝道者」という組織が台頭し、その目的が判らないまま「ミヤコ」の権力者一族・春日家の若者たちは、戦いの渦に巻き込まれていく…。

楽しいねぇ。頭がよくて、行動力があって、元気な美男美女(しかも若者)が、大活躍。
未来のかなり進んだテクノロジー(円盤が飛んだり、仮想空間がかなりリアルだったり)の中にありながら、若者たちが振るうのは日本刀(笑)。しかもこの日本刀の攻撃力たるや、まあ使用者本人の能力も高いんだろうけど、鉄を叩き斬り妖を薙ぎ払うもの。・・・袴の美少女が日本刀を振り回すって・・・おおぅ、これってゲームの世界観だねぇ(笑)。
そういうノリで読んだら、非常に面白い。真面目に考えると、ツッコミどころは結構ありそうなんだけど、ハイスピードアクションゲームかアニメだと思って読んだら、大変ノリがよくてよろしいですな(笑)。

しかし・・・生徒会選挙の対立候補が「及川道博」。こ、これはいわゆる王子様時代のミッチーってことでいいのかしら(笑)。今はシリアスなドラマに出ちゃったりして、王子様キャラだったのは一昔前ですが、これってOK出てるのかなぁ(笑)。
さらに言うと、ルイ・ヴォトンとか、弁天堂とか、長渕省吾とか、いろいろ差しさわりがありそうなネーミングも多々出て来てますが、いいんですかねぇ。いや、読者側としては面白いからいいんですけど。

メインの主人公は、ミヤコの権力者一族の一員、春日蘇芳。喧嘩っ早い天才剣士の女子高生で、物語のあちこちで一番刀をぶん回すのは彼女である。そして、その蘇芳の姉・萌黄も主人公の一人。楚々とした和風美人な高校生なんだけど、やっぱり剣の腕はピカイチ。冷静で蘇芳とは正反対の性格ながら、思い切りがいい行動に出ることも。
蘇芳と萌黄の従兄・紫風は、ミヤコの中核たる学術組織「光舎」の生徒会長を3期連続で務める、切れ者。文武両道で、様々な能力値が高い。
この3人がミヤコを付け狙う謎の組織、「伝道者」たちの仕掛けてくる色々な術策に立ち向かう。
また、春日家と対立している及川家の長男・道博(蘇芳の婚約者だと言い張っているが相手にされてない)は、帝国主義者寄りと目されており、ミヤコを騒がせる様々な出来事に奇妙な形で関係しているようにも見える。
気が付かぬ間に、何者かに包囲されているミヤコ。若者たちは、ミヤコを守れるのか?!

なんか、いろんなことが起こるんで、一つ一つ取り上げてると終わりそうにない(笑)。なので、気に入ったシーンについていくつか。
何と言っても、拉致された紫風と萌黄を奪還するためにナゴヤのホテルに乗り込んだ蘇芳と銀嶺(ミヤコではなく博多に住む蘇芳たちの従姉)の戦闘シーン、派手でよかったですねぇ(笑)。豪快というかなんというか。ハリウッドのスパイ映画みたいでした♪
それから、蘇芳たちの叔母・茜の作り出すバーチャルリアリティ世界。悪い夢の世界のようで、だけど現実に近い感触もあり、怖ろしい発展の仕方をするあの「幻影城」、私はちょっとパスしたいかなぁ・・・(^_^;)。
そういえば、剣の達人である主人公たちの感覚領域の広がる感じ、想像はできるけど凡人の私には絶対体験できないことなんでしょうねぇ・・・ははは。だいたい、あれだけ鋭くて繊細で広大な感覚を持ってたら、私なんか神経すり減らして早死にしちゃうんだろうなと思います(笑)。

最後に伝道者の真の目的が明かされ、物語は一応の収束がつくのだけど。
萌黄と佐伯の決着もついてないし、諸外国がこれからの日本をどう見なして対していくのかも分からないし、ミヤコの起源である「暁の七人」の怨念とその真実なんかも、明らかにはされていない。もちろん、伝道者たちの狙い通りに事が運ぶとも思えない。
まだまだ、物語が広がる可能性は大きいですよ。ただ、この作品でだいぶんばら撒いちゃった感のあるいろんな伏線やネタを、系統立ってまとめあげるには、相当大きな物語が必要な気がしますが。
続きがあるなら、読んでみたいな。ぜひ、このスピード感・冒険活劇感はきっちり残してというか更にハイレベルに上がった物語を。

ところで、帝国主義エリアのナゴヤでナゴヤ嬢たちがふくらました髪の中にいろいろ仕込んでる、っていうネタがありましたが、物騒なものを仕込むのはやっぱり、武闘派なミヤコの娘たちだけと思いますよ(笑)。
あ、それと。
道博はやっぱりトホホなんですかね(笑)。水無月・Rのトホホセンサーに微妙に引っかかるんだけど、今ひとつ違う気もする。「蘇芳ちゃん蘇芳ちゃん」とにじり寄っては軽くあしらわれるところや伝道者側に利用されてるところなんかはトホホ系なんだけど、道博本人の能力値が結構高い(但し派手好き過ぎ)とかはちょっと違う気がするのよねぇ。
その辺も、続編が出たらチェックしたいところです(笑)。

(2014.05.14 読了)

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雪月花黙示録 恩田陸
雪月花黙示録 (単行本)著者:恩田 陸KADOKAWA/角川書店(2013-12-25)販売元:Amazon.co.jp 私は高校生の蘇芳。いとこの紫風(美形なうえに天才剣士!)が当選確実の生徒会長選挙を控えたある日、選 ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2014/05/19 21:02
雪月花黙示録(恩田陸)
ちょっとした手違いで、この作品をいつ読んだのか分からなくなってしまいました;;;たぶん、ソチ五輪のどさくさに紛れちゃったみたいなんだけど、ね。ということで、これは2月に読んでいたらしい・・・。他にも抜けてるかも?と調べてみたら、1冊は判明。他にもあるかもしれないんだけど、ちょっと分からなかった(ガックリ;;;) ...続きを見る
Bookworm
2014/07/10 12:30

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^
恩田さんの学園ものは大好きなのですがこちらはまた違うテイストでした。
恩田さんはいつも容姿端麗で頭脳明晰な少年少女を出すんですよね。今回もみなさん素敵でした^^
ミッチーはまんまみっちーですよね〜^m^
過程が面白かっただけに最後がもったいなかったです。続編も見たいですね〜
苗坊
2014/05/19 21:17
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
やっぱりミッチーはあの王子キャラ時代のミッチーですよねぇ?(笑)。
そうか、容姿端麗頭脳明晰といえば、字数は少なくて済むのですな。私説明に何行使っただろう(笑)。
そうなんですよ、最後がなんだかカ駆け足な上に「エイ、ヤァ!」とまとめた感がして、ちょっと残念(^_^;)。
続編、読みたいですよね〜♪
水無月・R
2014/05/19 22:08
まさに、ゲームかアニメの世界でしたね〜(笑)あまりの破天荒ぶりに最初は驚きましたが、こういうノリも大好きなので慣れてしまえば、うはうは楽しませてもらいました。
特にミッチーには笑わせてもらいました!ここまで書いちゃって大丈夫なの!?と心配になりましたけどね(笑)

私も続編、読みたいです!
すずな
2014/07/10 12:48
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
そうなんですよね、真面目にツッコんだら負けな気がします(笑)。
楽しかったですし♪
ミッチーに関しては、皆さん同意見のようですね(笑)。大丈夫なんだろうか・・・(^_^;)。

続編、読みたいですよねぇ!
とりあえず私、恩田さんあてに「続編希望電波」を送っております♪
水無月・R
2014/07/10 15:21

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