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zoom RSS 『かがやく月の宮』/宇月原晴明 ◎

<<   作成日時 : 2014/08/21 22:34   >>

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すっっっごく、お久しぶりでございます(-_-;)。
今年2度目の訳アリ転職(パート)&夏バテのおかげで、インプット・アウトプット共に機能停止寸前の水無月・Rでございます。
子供の夏休み初日から、新しい仕事なんか始めるモノじゃありませんな(^_^;)。
物語はよかったのに、読むのもレビュー書き始めるのにもすごく時間がかかってしまいましたが、宇月原晴明さんの『かがやく月の宮』
とても、とても、素晴らしかったです。

宇月原さんの『安徳天皇漂海記』『廃帝綺譚』を読んで、その静かな美しさに心を打たれたのが、もう7年も前なのですねぇ。あれ以来宇月原作品を全然読んでなかったのですが、もったいないことしたなと思います。うん、他の宇月原作品も読もう、・・・涼しくなったら(^_^;)。

本朝(日本)の物語の祖と言われる『竹取物語』。その異本であり、秘匿され主人公にもたらされた物語『かがやく月の宮』
自分で物語を書き始めようとしてはためらう主人公は、その物語を紐解く。
物語は、世に知られる『竹取物語』と似て非なるストーリーを展開する。かつてこの国に起こった出来事を人の名を変えた形で描き、その裏側に竹取の翁が養育する玉姫の秘密、大唐皇太后の妄執と思惑を絡めた壮大な物語を。
物語中の帝の孤独と哀しみと無力感がひしひしと伝わってきて、とても切なかったです。
かぐや姫の昇天の真実とその結果(日輪と月輪の融合)、唐皇太后への帝の大胆な返書。
かぐや姫を求める5人の貴公子の本心とかぐや姫がそれを求める人々の欲望の鏡であることなど、複雑だけれど納得のいく構成。
私もこの秘された物語にどんどん心奪われていきました。

時々、物語の中から、我に返る主人公。だが、すぐに物語に惹き込まれていく。
主人公が読んでいる物語が殆どを占めるのだけれど、でもこの『かがやく月の宮』という小説の主人公は彼女である。
その「彼女」とは、学問にぬきんで「この子が男子なら」と父を嘆かせ、のちに中宮彰子に仕え『源氏物語』を描いた女人である。
彼女が冒頭で書き出そうとしてはためらっている物語が、まさにその源氏物語。この作品の最後で彼女が書き始めるのは、月に昇らず入内した輝ける姫が産んだ皇子の物語。『かがやく月の宮』と対になるべき『かがやく日の宮』の物語。
源氏物語誕生秘話とも言えますね。この秘匿された物語を読んで、触発されて描いた物語は、世界で一番有名な日本文学になりました。うん、なんか凄く説得力がありますね。

ところで私、『かがやく月の宮』というタイトルを見て『竹取物語』を思いつけず、『源氏物語』から欠帖したといわれる「かがやく日の宮」を思い起こしていました。丸谷才一『輝く日の宮』や森谷明子『千年の黙〜異本源氏物語〜』では、時の人・藤原道長の影響力を慮って紫式部が自ら欠落させとしている、幻の章。
読み始めてあれって思って、あ〜!そっち(かぐや姫)か!と思った私、ちょっと間抜けです。

物語の終わりに、帝の御製「月やあらぬ秋や昔の秋ならぬ我が身一つはもとの身にして」が挿入されています。
これは伊勢物語の「月やあらぬ春や昔の春ならぬ〜」なんでしょうけど、春より秋の方が、より切なくしっくりきますね。
その御製に、内侍紀房子は涙する。紀内侍は、竹取邸で何が起こったかを知っている数少ない人。
残されてしまった者の哀しみは昇華されたけれども、その代わりに愛してやまぬ移ろいを失った帝を思うと、私も切なかったです。それでも、帝は良かったのでしょうけど。

…すみません、長くだらだらと書いてしまいましたが、なんかもう、いろいろ書きたいのに、いろんなことを感じたのに、全然文章にできてません。
宇月原作品って、難しいんですけど、読んでほしいです。私がつらつら書くことの何百倍も、きっと感じてもらえると思います。
本当に、素晴らしい作品でした…!

(2014.08.18 読了)

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