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zoom RSS 『書店ガール3 〜託された一冊〜』/碧野圭 ◎

<<   作成日時 : 2014/10/17 15:13   >>

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本屋さんて、本当に色々な可能性を秘めているなぁ…って感激した、碧野圭さんのシリーズ新作、『書店ガール3 〜託された一冊〜』
前作『書店ガール2 〜最強のふたり〜』で新興堂書店吉祥寺店の店長だった理子は、更に昇進して東日本地区のエリアマネージャー兼任に。妊娠出産、そして復帰してきた亜紀にも店内の担当替えがあり、変化が生まれています。
彼女たちが、どういった事態に向き合い、そして書店員として人間として成長していくかが、丁寧に描かれていて、とてもよかったです。

作品中、3.11東日本大震災のことがたくさん描かれていました。私が住んでいるのは近畿地方なので、実際の被害はほとんどなく、TVや新聞で押し寄せてくる情報に心苦しく感じていたことを思い出しました。いえ、今でも。
あのころ、全てが自粛ムードで、何をしたらいいのか、自分に何ができるのか、模索しては結局何も出来なくて。
被災当事者である櫂文堂書店店長代理・沢村の物語を、複雑な思いで読みました。
被災地の書店にできること。被災地の図書館のこと。仮設住宅の人々の話。

「震災3周年を店のフェアに取り上げる」。その提案が理子からなされた時、副店長・市川は暗に反対を表明した。だが、スタッフ会議での亜紀の仕掛けがきき、亜紀が責任者となって「震災3周年」をフェアにすることが決定する。
吉祥寺という立地ならではの仕掛けとして、震災被害そのものではなく、震災によって何がどう変わり、何が変わらなかったか、震災当時中心被災地以外の地域の人々の体験、被災地版元の書籍や東北各地のタウン誌取扱い、被災地の人々の作ったグッズ類の展示販売など、通り一遍ではない工夫の利いたフェアの作り、亜紀やほかの店員たちの意気込みの伝わってくる素晴らしい出来栄えでした。もちろん、私は文章を読んだだけ。でもそのフェア台や店の雰囲気、店員さんたちの奮闘ぶりが目に浮かんだのです。
素敵だなぁと思います。こういった、熱意あるフェアをやっている書店さんに、行きたいです。ウチの近くにあったらいいのになぁ。

震災のことだけでなく、亜紀の子育てと仕事の話も、色々と抉られたなぁ。私は子育て期間中は一切仕事をしてなかったけど、両方をやることがどれだけ大変か、そして何故か二人の子供なのに夫は「手伝い」しか考えてないこととか(それでも手伝ってくれるだけましなのかしら)、想像はつきます。社員を辞めてパートでもいいから店に残りたいと言った亜紀に、理子が言った「いろいろな経験をしてほしい、そのためには社員」には、確かにそうだなと思いつつも、社員で居続けることの難しさはやはり当人じゃないと判らないよなと思ったり。まだまだ、世の中は少子化だなんだと言いつつも、社会として受け入れられてはいないなと思いました。
でもね、結婚して子供が生まれて、それでも仕事を続けていきたい亜紀も素晴らしいけど、結婚という選択をせずひたすら仕事に邁進してきた理子も、すごいと思うのです。どちらもきちんと認めて貰える社会になったらいいなぁ、って思います。更に言えば、私のように子育てのために一線を離れた人も、社会のお荷物のように言われることが無くなったらいいなぁ、なんてね(^_^;)。

亜紀が店を離れて本社に行くという決断をし、何かと注意されたり怒られたりしていた広瀬というお客さんとの会話でエピローグ。何かと小うるさいジジイかと思っていたけど、実際やっぱりそうなんだけど、書店員として大事なことを教えてくれたお客さん。ちょっと、うるっと来ちゃったなぁ。
きっと、これからも亜紀も理子も書店員として、立派に成長していく。それは、本を愛しているから。本を愛するお客さんと係わっていくから。
私も、一番端っこでいいから、本を愛する一人として、その輪の中に入りたいなぁって思える、素敵なラストでした。

(2014.10.16 読了)

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