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zoom RSS 『火星に住むつもりかい?』/伊坂幸太郎 ○

<<   作成日時 : 2016/02/29 20:16   >>

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うん、分かってた。
本作『火星に住むつもりかい?』は、伊坂幸太郎さんの、政治色の強い作風の方だって、知ってた。
・・・苦手なんですよねぇ。
伊坂さんの作品なら、スカッとする怒涛の伏線回収と気持ちの弾むエンターテイメント性の高い作風の方が好きなんですよ、私。
伏線回収とかは結構してて、おお!って感じる部分はあったりしたんですが、やっぱりちょっと不完全燃焼・・・。

一般市民からの密告から危険人物を割り出し、尋問(拷問)の末に罪を調べ上げ(でっち上げ)、公開処刑する制度が出来た、日本。それを主導する、「平和警察」という警察内部組織。持ち回りで「安全強化地区」が選ばれ、今回そのお鉢が宮城県に回ってきた。

民衆とは恐ろしいものだと、思います。
中傷誹謗の密告が蔓延し、被疑者が出ればマイナスの噂ばかりが流れ炎上し、公開処刑(斬首)を平気で見物に行く。
平和警察の拷問・でっち上げの噂はそのままスルーし、公表されることが真実と思い込みたがり、「テロ組織に資金を横流ししていた」などというあいまいな情報で処刑される人間を貶め、せせら笑う。
現代の魔女狩り。人々の中に積もった不満をガス抜きするための。
そんな第1部がもう、嫌で嫌で。
正義の味方らしき、黒いツナギを着用する男が出てくるが、何となく不穏な感じは否めない。
黒ツナギの男は、秘密警察に捕まった人を救出する際、秘密警察の人間を2人殺している。ここでもう、黒ツナギの男は私の中では「正義の味方」ではなくなる。
では、この物語に救いはあるのか。

黒ツナギの男の行動を読み解き、罠にかけようとする警察側。定期的に床屋に来て髪を切ってもらう、だんだん憔悴してゆく学生。二つのストーリーは並行しつつ、微妙に関連性を持ち始める。
まあ、この2つのストーリーに関しては、「あ、伊坂さんのお得意パターンだな」と早めに気づいたんですが、床屋の店主の年齢を勝手に老齢と思い込んでたため、真相には全く気付かず。思い込みのスキを突かれました。

黒ツナギの男の武器、超強力磁石の威力、すごいですよね。これがホントに実現化(兵器化)されたら、電磁機器関係勝ち目ないですよね〜。結構怖いですよ・・・。

ラストは、平和警察が弱体化しそうな方向で何となくまとまった感がありつつも、結局は替わりの何かが出て来るんじゃないかという予感は残ってました。
いや、まあね。
現実だって、いろんなことが起きてて、一度やってしまったことを取り消すことはできないし、いきなり方向転換するのはとても難しいことだし、スッキリ解決するわけもないことは、分かってるんですけどね。
せめて物語くらい、最後には安心したかったな〜、なんてね。思っちゃうわけですよ。
やっぱり、気持ちのいい話じゃないですからねぇ。密告とか、拷問とか、冤罪とか、処刑とか・・・・。

う〜ん、やっぱりこういう作風のは、苦手です。
カッコいい(姿形じゃなくて心意気みたいなの)オッサンが活躍して、家族のつながりの強さが実感できたりするような、そんなエンターテイメント性の高い作品が読みたいですわ〜。

(2016.02.28 読了)

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伊坂幸太郎 光文社発行年月:2015年02月18日 ページ数:400p サイズ:単行本 ISBN:9


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火星に住むつもりかい? 伊坂幸太郎
火星に住むつもりかい?著者:伊坂 幸太郎光文社(2015-02-18)販売元:Amazon.co.jp 住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられる―身に覚えがなくとも。交代 ... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
こういう作風の伊坂作品、嫌いじゃないですけど気合いを入れて臨まないと痛い目を見る気がします^^;
集団って恐ろしいですよね。明らかにおかしいと思っていても周りに流されてそのまま進んでしまうとかありそうです…。

私もエンタメ性の高い作品が好みです。
私、伊坂作品で1番好きなのが「チルドレン」なんです。なので続編の「サブマリン」が楽しみでしょうがないです^^
苗坊
2016/03/01 20:30
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
そう、嫌いではないのですよね〜。
ただ、苦手…。嫌な面が、ぐいぐい迫ってきて、苦しくなってしまうんですよね。
集団心理、思考停止および、ひそかな嗜虐性が怖ろしく、且つ何とも堪える作品でした。

お、『チルドレン』の続編が出るのですか。
陣内の縦横無尽?さがまた読めるのは楽しみですね〜!
水無月・R
2016/03/01 22:26

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