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zoom RSS 『ぼぎわんが、来る』/澤村伊智 ◎

<<   作成日時 : 2017/03/08 20:22   >>

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・・・ぼぎわん、怖ぇぇぇぇぇ〜〜!!
こ、これは、あかん・・・。ストレートに怖い。怖すぎる。
圧倒的な暴力性、直接襲撃される残虐さ、理不尽なまでに不可避な執念深さ。
どれをとっても、とてつもなく怖い!!!
2015年「第22回日本ホラー小説大賞」の〈大賞〉受賞作、『ぼぎわんが、来る』
著者澤村伊智さんは、本作でデビューの新人ですが、これはまたとんでもない作品を書く方が、出てきたものですよ。
怖くて怖くて、途中でやめることも出来ず、怒涛の勢いで読了してしまいました(T_T)。

第一章「訪問者」
平凡そうな男・田原秀樹を語り手に、彼と彼の家族を狙って襲撃して来る怪異との攻防を描く。
第二章「所有者」
田原がぼぎわんにやられ、語り手はその妻・香奈に。香奈と娘・知沙に、魔の影が襲い掛かる。
第三章「部外者」
香奈と知紗が襲われ、語り手は田原家に協力していたオカルトライター・野崎に。
ぼぎわんとの全面対決と、その終結を描く。

3章それぞれの語り手が違い、前章の物語の別の側面を照らし出す、その構成が凄いです。
それと、〈ぼぎわん〉という怪異の名前の由来や民俗学的・伝承的解釈がしっかりと描かれていて、リアルすぎて怖い。
現実にはありえない怪異現象なのに、その現実世界にそれが現れて人を噛み殺していくことを受け入れざるを得ない現実感、読んでて身の毛がよだつとはこのことだと思いましたね。

ぼぎわんがだんだん知恵をつけてきて、声をまねたり、電波を乗っ取ったり、陽動作戦をとったりするのも怖かったのだけど、何よりやっぱり怖いのは、実際的な攻撃として噛みついてくる(噛み千切る)ことですよねぇ。ザ・実力行使!って感じで、刃物でスッパリなんかより、ずっと痛そうだし。プリミティブに怖い。
そして、とにかく執拗に追いかけてくる。結界を張ろうが御札を貼ろうが、人の心の隙をついて、その隙間に指を突っ込んで無理矢理に抉じ開けてくる。
・・・怖いよ怖いよ!相当に上級な霊能者?巫女?である比嘉真琴ですら、瀕死の重傷を負うまで追い詰められ、何とかようやく封じ込めた、それ。

その正体は、人の業や恨みのなれの果て。なぜ、その「ぼぎわん」が、〈対象者を山へ連れていく〉のか。怪異ですらも、種族保存の本能があるということなのか。そこまで考えたら、本当に怖い。

〈ぼぎわん〉というネーミングも、秀逸ですよねぇ。作中で由来について言及されてますし、その説にすごくリアリティがあるのですが、音的な怖さがあると思うのですよ。
〈ぼ〉〈ぎ〉という濁音に続いて、五十音の最後の音〈わん〉と一気に言い切る。
子供でも簡単に発音でき、それでいて音から推測できそうなものが浮かばない。非常に、不穏で不安な名称。
〈ぼぎわん〉〈ぼぎわん〉・・・い、いかん!繰り返し呟いてたら、呼び寄せてしまいそうだ!
対策のために呼ばれた高名な住職が、ぼぎわんを指して「あんなえらいもん、呼ばな来ぉへんやろ」と言ってましたっけ。や・・やめよう、連呼するの。

それから。
最後の最後で、怖ろしいことに気がついちゃったんですよ。
知沙の寝言。
「さむあん、ちがつり」
これって、あれですよね?!ぼぎわんが途切れ途切れに口にする、意味は分からないけれど多分、呪詛の言葉。
ってことは・・・!!
ぎゃ〜〜〜!!!怖い怖い怖い怖いッッッ!!!

(2017.03.06 読了)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あ、やはり怖かったんですね・・・。
実は最近、澤村さんの「ずうのめ人形」を読んだんですが、半端なく怖くて怖くて怖くて・・・。この作品を図書館に予約していたんですがキャンセルしてしまいました^_^;その後、「ずうのめ人形」と関連があるというのを知って読もうかどうか迷ってたんですが・・・。またまた勇気が萎んでしまいました^_^;読むにしても、ちょっと時間をおこうと思います。。。

すずな
2017/03/11 14:17
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
ええ…正直怖かったです。
恒川さんや恩田さんみたいな、ひたひたと迫る怖さではなく、直接攻撃とか、理不尽に避けようがないこととか、3章別視点で人間の嫌な面を見てしまったりとか…いろいろです。
『ずうのめの人形』も、怖いんですね(^^;)。
でも、関連があるなら、読んでみようかな…。

そうですねぇ、気持ちに余裕があって、明るい季節(冬は向いてなかったかも(笑))なら、いいかもしれませんね。
怖かったけど、読んだことは後悔はしてませんよ〜。
水無月・R
2017/03/11 22:10

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