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zoom RSS 『ソウルケイジ』/誉田哲也 〇

<<   作成日時 : 2017/05/17 10:27   >>

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前作『ストロベリーナイト』より数か月のち。
警視庁捜査一課警部補・姫川玲子は「放置車両内に残された左手首」を巡る事件の捜査に参加することになった・・・。
誉田哲也さんの、姫川シリーズ第2作。
意外な真相でありながら、その真意を思わず納得せずにはいられなかった、『ソウルケイジ』

発見された左手首は、すぐに近隣の工務店の主・高岡賢一のものと判明。左手首以外の遺体と加害者を捜索するも、捜査は難航する。被害者の近辺を洗ううちに、姫川に見えてきた真実とは…。

姫川・同僚の日下・高岡・高岡の工務店の従業員の三島・・・その他事件にかかわる様々な人間の視点から、捜査と高岡の過去が語られていく。
三島の父の転落事故と、それを見ていた高岡。高岡の周辺に現れる、不愉快な男・戸部。戸部が扱う保険金詐欺。姫川の、日下に対する態度とその理由。日下が予断を許さぬ捜査をする訳とは。
様々な要素が絡み合い、事件は意外な真相を明らかにする。

今作は前作ほど全体的にはグロくはなかったけど、やっぱり真犯人の犯行シーン及び偽装工作シーンはかなりキツかったわ…。読んでるだけで、自分が痛い。あれができる父性って、とんでもないなと思いました。
父性というのは、母性よりも広範囲の視野を持った庇護欲なんですかね・・・。

実は、高岡がどういう経緯の持ち主か、というのは何となくわかってしまいました。戸部の周辺が明らかになるにつれて、きっとそうだな・・と。なので、真犯人の偽装工作、グロかったけど、到底真似できるものではないけど、納得はいきました。
しかし、トリックとして可能なんですかね・・・という引っ掛かりはちょっとありました。逆に無知ゆえの行動に振り回された警察、ってことになったわけですが。

この間読んだ『サブマリン』で、「罪は罪」「命は奪っていいものではない」的なことを書いた私ですが、思わずそれを撤回してしまいたくなる様な真相でした。
つい、こんな奴なら殺してしまっても・・・殺した方が幸せになれる人間が多い・・・、こんな唾棄すべき奴、いなくなってしまえばいい、自分が手を下してやる、と犯行に及んだ真犯人の気持ちに、思わず流
れそうになりました。もちろんそれがよくないというもの分かっていますが、その瞬間は姫川と同じく。

姫川の探している、「自らの精神をもってして、自らの殺意を制御できる」論理。いまだそれに姫川は巡り合っていない。本作の最後での日下との会話に、そこに至るきっかけのようなものを掴めたのかもしれないし、そうではないかもしれない。
前作でガンテツに指摘された「姫川の危うさ」は、まだ続きそう。
迷いや頑なさに、姫川の人間味を感じるシリーズだな、と感じました。もっと読んでみたいです。

深刻な犯罪シーンだけでない、姫川とほかの登場人物達との関わりが軽妙なところも、本シリーズの魅力かなと思っています。
例えば、なんだかんだ言いながら、井岡と組まされてもうまいことあしらってる姫川。井岡とのやり取りは割とちょくちょく笑いましたが、監察医の国奥との付き合い方というか対応というかも、上手いですな。じいさんキラーかしら(^^;)。
とりあえず、菊田はもうちょっと頑張ってしっかりしろよ!と思います(笑)。でも、進展しそうにないのが、この二人の関係の定型なのかも。

(2017.05.16 読了)

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