『クリスマス・テロル』/佐藤友哉 〇

まさかの、著者・佐藤友哉氏ご本人による〈読者告発〉が物語中で行われようとは(笑)。いやいや、参るわぁ。『クリスマス・テロル』という、物騒かつ何となくメルヘンなタイトルからは、想像できなかったですよ全く。なんていうか、うん、攻めてるねぇ、佐藤さん。攻めてるけど、防衛線も張ってるし、告白も露悪もあるし、非常に混沌としてます。 衝動に突き動…
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『枕草子REMIX』/酒井順子 〇

酒井順子さんと言えば、私的に『源氏姉妹』で、「そうそう!そうなのよ!!分かるわ、酒井さん!!」となった、〈感覚同じ女性作家さん〉なんですけどね。本作『枕草子REMIX』も、若い方の言葉ですが「わかり味が深い~(笑)」って感じで、ヘッドバンキング並みにうなずきつつ、読みました。 清少納言。以前は「才気煥発・当意即妙の権化」みたいなイメー…
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『キノの旅(22) -the Beautiful World-』/時雨沢恵一 〇

時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ22冊目。パースエイダー(銃器)有段者・キノと喋るモトラド(自動2輪車)・エルメスの、淡々と続く印象的な旅。彼らの出会う国や地域や人々は、現実の私たちの世界のとある部分をデフォルメしたものだったりすることも多い。様々な状況にあって尚、彼らは全てを受け入れ、受け流し、旅を続けていく。『キノの旅 (22)…
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『死国』/坂東眞砂子 ◎

いやもう何というか、坂東眞砂子さんだわ・・・。四国という隔絶した土地柄の、遍路とはまた別の土俗信仰を描いた、非常にゾワゾワする作品でした。だいたいね、『死国』ってタイトル、どうなの?!四国=死国、ってのがしっくりきすぎてて、怖いんですよ・・・。少女期の3年半高知に住んでて、3年半だけにもかかわらず多分私の根幹を作ってしまった、あの土地の…
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『ブロードキャスト』/湊かなえ 〇

湊かなえさんらしからぬ青春物で、何というか(笑)。イヤミスじゃないことが前もってわかってなかったら、巡り廻る悪意を探して・・見つからなくて呆然・・という流れになってたと思います(笑)。つまり『ブロードキャスト』って、そういう作品でした。 中学時代に駅伝で全国を目指していた主人公・圭祐(僅差で全国を逃す)は、「高校でも駅伝をを頑張って行…
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『断絶への航海』/ジェイムズ・P・ホーガン 〇

去年読んだ『図解で分かる14歳から知っておきたいAI』という、〈AIという技術の基礎知識やそれが人間の未来にどんな影響を及ぼすか〉ということを書いた実用書?子供向け解説本?・・・な本を読んだ際に、〈人間とAIが共存する世界〉として描かれたSFである本書『断絶への航海』のあらすじが紹介されていました。 興味があったので〈読みたい本リスト…
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『悪玉伝』/朝井まかて 〇

ううむ・・・。なんか、少々感想が難しいなぁ・・・。本作『悪玉伝』は、実際に江戸時代に起きた「辰巳屋騒動」という、大阪の商家相続の争いを発端とし奉行所役人への収賄で御家人に死罪が言い渡されるに及ぶ、なかなかにセンセーショナルな大事件を描いたもの。朝井まかてさんらしい爽快感はやや抑えめ、私的にはちょっと物足りなかったかなぁ。まあ、かの大岡越…
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『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』荻原規子 ◎

荻原規子さんの〈RDG レッドデータガール〉シリーズの最終巻を読んだのがもう、6年も前ですかぁ・・・。本作『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』は、深行視点の短編3つと真響視点の中編1つからなる、スピンオフ作品です。本編はほぼ泉水子目線でストーリーが展開していたので、別の人の視点で本編の間の出来事やその後のことを知れたのは、…
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『熱帯』/森見登美彦 ◎

著者である森見登美彦さん本人が、帯でこう謳っている。~~我ながら呆れるような怪作である~~(本作帯より引用)うん、ワタクシ、超絶迷子になりながら読んでおりましたともさ、我らがモリミーよ。本作は、とある『熱帯』での冒険譚・・・ではなくて、え~と・・・何と説明したらいいかよくわかりません(笑)。入れ子構造だったり、ループしながらパラレルして…
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『フーガはユーガ』/伊坂幸太郎 〇

暴力で支配する父親、貧困、同級生たちの蔑視、様々な困難を2人で耐え忍んできた双子の兄弟、風我と優我。彼らには、年に1日だけ特殊な能力が発揮できる。と言っても、自由にコントロールできるわけでもなく、大掛かりなことが出来るわけでもない。伊坂幸太郎さん、今回はちょっとなんというか、読んでて辛かったです。『フーガはユーガ』、ラストまで読んで切な…
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『高校入試』/湊かなえ 〇

地方名門公立高校の入試前日、「入試をぶっつぶす」と書かれた紙が、会場となる教室の黒板に貼られているのが発見される。入試当日も、ネットへの試験問題流出、試験会場のリアルタイム実況・・・、対策に奔走する学校側だが、すべては後手に回ってしまう。湊かなえさんらしい映像的展開・・・と言いたいところですが、まず先にドラマ脚本があり、本作『高校入試』…
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『インビジブルレイン』/誉田哲也

誉田哲也さんの〈姫川玲子〉シリーズ第4作。チンピラ惨殺事件を追う姫川たち。上層部からの指示に疑念を持ち、単独捜査を始めた姫川が出会った男の正体。過去の警察の失態を隠蔽したい上層部、上司の進退と真実の公開とそのやり方に苦悩する姫川、『インビジブルレイン』は降り続ける。 チンピラ惨殺事の捜査を続けるうちに、玲子たち捜査一課のメンバーに「今…
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『雲上雲下』/朝井まかて 〇

どこともわからぬ場所で、尾の短い子狐にせがまれて古今東西の物語を語る「草どん」。物語の持つ「力」とその運命、希望の持てる終わりにホッとしました。朝井まかてさんの語る『雲上雲下』すべての世界の物語、〈物語というものの奥深さと力強さ〉を再認識する読書となりました。 怪我をした子狐を助けた山姥も加わり、様々な物語が語られてゆく。龍の子の物語…
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『ドS刑事 ~井の中の蛙大海を知らず殺人事件~』/七尾与史 〇

死体愛好癖が極まり死体を見たいからと警官になり、捜査一課強行犯係に所属する刑事・黒井マヤ(父は警視監)。彼女に見初められ静岡県警から引き抜かれたイケメンな相棒・代官山(通称代官様)。少女のような可愛らしさを持つ、東大卒キャリア(ぽんこつ)の浜田。この三人が乗り込んだ豪華客船・リヴァイアサンに爆弾が仕掛けられ、機動隊爆弾処理のエキスパート…
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『ずうのめ人形』/澤村伊智 ◎

2年半前、『ぼぎわんが、来る』で私を恐怖のどん底にたたき落としてくれた澤村伊智さん。本作『ずうのめ人形』も、最初はグロくはあるものの普通のホラーに見えていたのが、途中からとんでもない展開に。「ホラー読むなら、夏だよな」と思って意気揚々と図書館から借りて来たんですが、背筋凍りましたわ~。 オカルト雑誌編集部でバイトをしている青年・藤間は…
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『世界はハッピーエンドでできている(2)』/下西屋 ◎(コミックス)

前巻『世界はハッピーエンドでできている』同様、「登場人物(ひと・モノ・妖怪など問わず)みんながすべて幸せになれる」物語たち。上っ面の優しさではなく、本当にその人の背景にまで踏み込んだ上での酸いも甘いも噛み分けたやさしさがあるので、ちょっと心が痛んだとしても、必ず幸せな気持ちになれます。下西屋さん、ホントに最高です!『世界はハッピーエ…
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『殺戮にいたる病』/我孫子武丸 〇

うん、実は〈叙述トリック〉ってことは、知ってて読んだんですよね。な・の・に!まるっと騙されました・・・最後の最後まで!!いや、最初の方で「んん?なんかこれおかしくないか?」って思ったんですけどね、殺人描写のグロさに目眩まされちゃって、そっちに気が行ってしまって(グロいのはあんまり得意じゃないんで)。我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』、新…
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『砂上』/桜木紫乃 〇

北海道の片隅で細々と生きている、作家志望の柊玲央。数年前に離婚した元夫からの慰謝料とビストロ勤務で、何とか生活をしている。桜木紫乃さんの描く作家という者の業の物語『砂上』は、桜木さんの私小説ではないかと思うほどのリアルさをもって丹念に書き込まれる〈虚構〉の切実さが、狂おしい物語でした。 玲央の応募したエッセイ大賞を主宰する婦人誌の女性…
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『世界はハッピーエンドでできている(1)』/下西屋 ◎ (コミックス)

〈タテ読みタダ読み♪〉は過去のこととなって久しい(笑)、縦読みマンガアプリ・〈comico〉。長らく連載を読み続けて来た作品が、とうとう完結しました。ずっと〈タダ読み〉させて頂いてたんですけどね、最終話を読んだらどうしても「紙の書籍」でほしくなり、楽天ブックスでポチってしまいました♪下西屋さんの『世界はハッピーエンドでできている(1)』…
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『ヴィオレッタの尖骨』/宮木あや子 〇

余すところなく、宮木あや子さんのR-18系というか、ダークサイド系ですねぇ。 でも、歪んでるって、言ってしまっていいの?何をもって、歪んでいる、いないを判断する? 小市民を自認する私だけど、私の身の回りにある〈普通〉が、本当に〈普通〉? そんな疑いにじわじわと侵食される感覚と、甘く爛れた香りが充満してくる、『ヴィオレッタの尖骨』。…
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