『巷説百物語』/京極夏彦 ◎

ほほ~、コレは【怪談になぞらえた必殺仕事人】、ですかい?
いや、京極夏彦さんの『巷説百物語』ですッて。
2話目から既に、仕組みは分かってるんだけど、今度の事件はどういう背景があるのか?どういう怪談になぞらえてるのか?というのが興味深く、1話1話、感心しながら読みました。

口八丁で物語の流れを見事に引き回す「小股潜りの又市」、怪談百物語を編纂しようという「考物の百助」、見かけはあだっぽいが気性はサッパリとした「山猫廻しのおぎん」、獣操りの技を持つ「事触れの治平」の4人が、物の怪の仕業ならぬ「人がなす罪悪」を始末する。・・・やっぱ仕事人だよ!

表向きは、「小豆洗い」「白蔵主」「舞首」「人化け狸(柴右衛門狸)」「呑馬術(塩の長司)」「柳女」「帷子辻」、となかなかに深い怪談。が、一皮剥けば、それらはすべて怪談ではなく、怪談を隠れ蓑にして、人がなす罪悪でそれをこの4人が中心になって討つ、という2重構造。

その中で「若き知性派の役」のはずの百助が、からくりを理解できず、又市に「どうなってるんです」と毎回種明かしを求めるのがいい。物書きで理知的で、言う事はまっとうなのに、ヘンな愛嬌がある。まあ、自分の役回りがよく分からないまま、地で行動して、それできちんと又市たちの思惑通りに行ってるのだから、天然役者なのかもしれないな、と(笑)。

しかし、この人たちに依頼をする人ってのは、どんなツテをたどってるんでしょうね。仕事人に仕事を頼む時は、どうするんでしたっけ・・・(←マテ、話がチガウッて)。田舎のじい様でも、やんごとない方でも、お役人様でも、この4人の納得のいく(いや、百助は納得してないな)事件であれば、受けてもらえるのかしらん。

「人がなす罪悪」というのが、けっこう辛辣で、「怪談なんかより、人間のほうがずっと怖いよな~、ホント」と思ってしまいました。まあ実際、怪談に出てくる魑魅魍魎なんてのは大体「幽霊の正体見たり枯れ尾花」な訳で、種明かししてみれば可愛いもの。人間の罪業、人の道を踏み外してしまった物狂い、そっちの方がよっぽど恐ろしいのは、当たり前かな・・・。

続巻の『後巷説百物語』が楽しみだな~。さっそく、図書館で予約してこなくっちゃ

(2007.4.2 読了)
巷説百物語
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著者:京極夏彦出版社:角川書店/角川グループパブリッサイズ:単行本ページ数:511p発行年月:199


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