『世界の終わり、あるいは始まり』/歌野晶午 ○

うわッ、不完全燃焼だ・・・。コレはないでしょう、歌野晶午さん。お得意の「読者の誤認識を利用するトリック」は、何処へ行っちゃったんですか~。いや、そのトリックが歌野晶午だ!というのは私の勝手な思い込みなのかしらん?

う~~~ん。ラストが、それでいいのかなぁ、と。パンドラの箱に残った「きぼう」にかける、その気持ちは分からなくはないけど、きちんとした終末がないと、水無月・R的にはちょっと納得がいかない、かなぁ~。タイトルの『世界の終わり、あるいは始まり』って、つまり運命丸投げ、って事ですか・・・・。

近所の子供が、誘拐され殺される。確かに痛ましいと思うが、結局は他人事。・・・と、思っていた私は、ふとした事で、息子が連続誘拐殺人事件に関わってるのではないかと疑い始める。調べれば調べるほどに、息子が犯人である証拠が出てくる。このあたりから、私は狂気の余り、妄想が走り始め、自分がどうするべきかをシュミレーションするのだが、微に入り細にうがちつつも、悪い結果ばかりが出てくる。

と、いう話なんだけど。ある意味この「微に入り細にうがち」な妄想がすごい。「結局息子が逮捕され、世間に非難され」とか「実は犯人は息子ではなく息子の級友、という話だがやはり話に破綻が来」とか「息子を殺して被害者になり、ホームレスに罪を押し付けるが」 とか、とにかくいろんなストーリーが展開していく。が、最後には破綻してしまう。

主人公・江幡孝明の妄想がすごいんだけど、結局息子に「誘拐殺人に関係(実行)したのかどうか」を問いただせないで、色々シュミレーションの末、自分が可愛いがために、何とか「息子が誘拐殺人をした」という事実あるいは「それを世間的に誤魔化しきる」というストーリーをたどろうとして、でも結局上手くいかないという・・・。

水無月・Rは思う。「それだけ細かい想像を展開するアタマがあるなら、息子に事実を問い正せよ!」と。事実確認をし本当に誘拐殺人を犯していたなら、、弁護士などに相談しながら一番いい方法を模索していくべきだろう!と。・・・とは言え、人間って、弱いからね。水無月・Rも、もし息子にそんな疑いを抱いてしまったら、すごく迷うだろうな。でも結局、誤魔化しきれるものでもない(やはり日本の警察力は侮れないだろうしな~)から、専門家に相談しながら、乗り切るしかないよな。・・・多分。そういう意味で「パンドラの箱」の「きぼう」にかけてしまう気持ちも理解出来なくもないんだけどね。

何となく、水無月・R的には納得の行かない物語でした。多分、水無月・Rは「古いタイプの読者」なんだと思います。勧善懲悪、起承転結、キッチリと落ちのある物語、そういうのが、合ってるのかな・・・(-_-;)。

(2007.5.28 読了)
世界の終わり、あるいは始まり
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著者:歌野晶午出版社:角川書店/角川グループパブリッサイズ:単行本ページ数:500p発行年月:200


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この記事へのコメント

2008年01月13日 11:45
あ~もうその通りっ!水無月・Rさん、私も同じですっ!って、固く握手を交わしたい気分です(笑)
本当に、不完全燃焼で納得のいかないラストでしたね。途中がアレなら、ラストはきっちり決着?を着けて欲しいと思いました。
2008年01月13日 22:48
すずなさん、ありがとうございます。
歌野さんなだけに、最後にとんでもないどんでん返しが?!と期待してたので、ホント、不完全燃焼でした。
アレはないですよねぇ~。
でも、ホントは歌野さんはすごいんですよ。他の作品、読んでみてくださいね~。私も、気持ちよく騙されたいので、また図書館で探してみようと思っています。

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