『淋しい狩人』/宮部みゆき △

宮部みゆきさんのファンの皆様、ごめんなさい。この評価は、ホント、水無月・Rの単なる主観です。私が苦手だと思う・・・というだけなのですよ。
ミステリーに爽快さがあってほしいと思う、私の勝手なのですよ。

『淋しい狩人』は古書店の雇われ老店主・イワさんが巡り合う、本に絡む事件の数々を描いた、ミステリー。・・・という風に書くと、なんとなくホンワカした人情系や身の回りの些細で微笑ましい事件、と思ってしまうのは「物語」「本」好きとしては、それにまつわるものは〈悪意〉ではなく〈行き違い〉や〈取り違えられた善意〉であって欲しいという、勝手な願いなんですよね。
ホンット、すみません。

どうも、宮部さんは私には合わないようです。読後感がザラザラしててなぁ・・・。現実をえぐってるというか、殺伐としているというか・・・。

下町の古書店「田辺書店」の雇われ老店主・イワさんはいい味出してるんだけどなぁ。起こる事件が、罪をなすりつける殺人だとか、書くことを放棄した作家の失踪と彼の未完作を模倣する殺人だとか、虐待の真実を隠そうとする卑劣な大人の話だったりとか、とにかく、読んでて息苦しい。歯切れが悪くて、なんだか居心地が悪いのだ。一件落着、みたいな感じがしないのですよ。

「ひと」の世が醜いのは、私だって、知ってる。・・・だけど、どこかに救いが欲しいと思う。それを、救いあげてもらえなかった感があり、消化不良というか、ざらざらした感情を逆なでされるようで。落ち着かない。

イワさんと孫の稔の強い絆は、読んでいてしっかりとした土台を感じさせるのだけど。どんなに稔がイワさんを「老人老人」と茶化しても、それに愛情がこもってるのが分かるし、イワさんも勿論「不肖の孫」と言いつつ、稔を信じてかわいがってるのが分かる。根底にはお互いを信じる絆があるから、この祖父と孫は大丈夫だ、と安心できる。その点は、すごく良かったと思います。
そこをもっと膨らませて、心暖まる1篇が入っていたら、全然印象が違ったのにな~と思います。

(2008.08.31 読了)
淋しい狩人新装版
楽天ブックス
Miyuki Miyabe early collection 著者:宮部みゆき出版社:新潮社サイズ:


楽天市場 by ウェブリブログ



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 淋しい狩人

    Excerpt:  宮部みゆきは時代ものの方が好きなのだが、これは現代ものの「淋しい狩人」(宮部みゆき:新潮社)。東京の下町にある田辺書店という古本屋を舞台に、本に関係した事件を扱っ ... Weblog: 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館] racked: 2011-12-31 19:11