『GOSICKs~夏から遠ざかる列車~』/桜庭一樹 ○

二つの大戦の合間の、つかの間の平和の時代。
美しく、うららかな夏の輝ける日々。
少年と少女は、いくつものささやかな事件を解決する。
そんな久城一弥とヴィクトリカの夏休みを描いた、『GOSICKs~夏から遠ざかる列車~』
夏といっても、日本の蒸し暑い夏とは違った趣の爽やかさを湛えて、六つの物語が展開していきます。

西欧の小さな巨人と称される小王国・ソヴュール。その奥にひっそりと存在する、聖マルグリット学園も、夏休みを迎える。一弥は、アブリルちゃんのバカンスのお誘いをいったん承諾したにもかかわらず、学園に一人残されるヴィクトリカを心配して断り、二人だけの夏休みが始まる。
大きな事件は起きないけれど、相変わらずいい感じに一弥が女難にあいまくり(笑)。ヴィクトリカはもちろん、自分の姉の瑠璃、その級友たち、寮母さんにセシル先生と・・・不憫な子よのう(笑)。それもこれも、一弥が一途に真面目な日本男子だからなんだけどね~。いじり甲斐がありそうだもんなぁ~。私だって、ヘッドロックかけてぐりぐりしてみたいもん(*^^)v。

幸いにして、新しく越してきたO市図書館は、『GOSICK』シリーズを富士見ミステリー文庫版で揃えてくれているので、今回も桜庭一樹さんの物語と、武田日向さんの愛らしいイラスト両方を楽しめています。桜庭さんの描くつんつんヴィクトリカと武田さんの、ヴィクトリカのイラストがすんごく可愛い!今回初めてイラスト登場した、一弥姉・瑠璃さんも大変かわいらしい。もちろんセシル先生やアブリルちゃんは言うまでもなく、一弥のトホホな感じもよく出ていますよ。一弥のトホホには愛がある

前作『GOSICKs ~春来たる死神~』の時にも書いたんですが、短編というコトもあり、事件としてはどれも小粒。だけど、二人に関連する人々に深くかかわる物語なので、とても面白いですね~。
特に一弥のお姉さん、瑠璃さんがいい味出してます。彼女の章は大変面白くって、ぐふぐふ笑ってしまいました。

「仔馬のパズル」
前作でヴィクトリカが一弥の兄に出題した「仔馬のパズル」の解答が届く。
「花降る亡霊」
アブリルちゃんが地中海の避暑地で出会った、奇妙な亡霊の話。
「夏から遠ざかる列車」
セシル先生と赤毛の寮母さんの、意外で心温まる関係(笑)。
「怪人の夏」
一弥の姉・瑠璃さんが女学校の先生になる決意をする過程で出会った、怪人騒動。
「絵から出てきた娘」
ブロワ警部の留守中に、部下のイアンとエヴァンが学園を訪れ・・・。
「初恋」
・・・ぶふっ。そっか、ブロワ警部のドリルが二又(ワニの口のよう(笑))になったのは、そういう理由が。ブロワ警部が幼馴染のご婦人を窮地から救う物語。

それぞれ、とっても面白いです。
まず、前作ですっごく気になってた、「仔馬のパズル」の解答が出て来て、おお~!と盛り上がりましたねぇ。思ってた方向性であってたんだ(組み合わせは全然思いつけなかったけど)、とちょっと嬉しかったです。
セシル先生と寮母さん(ゾフィ)の素敵な関係が、危うくぶち壊しになるかも、という物語もありましたが、多分ゾフィはセシル先生を許しますよ!だって、二人は大事な友達なんですもの。一弥とヴィクトリカも、こんなふうにずっと仲良くしていけたらいいのに・・・と思いますね。
しかし・・・一弥の女難の一端に、瑠璃さんの取り巻きの女学生たちの呪いがあろうとは(笑)! むきむきした父兄に反発を感じ、一弥のことはすっごく可愛がってて、留学した一弥を思ってため息をついちゃうなんて、瑠璃さんも可愛い。そしてその様子を見て「一弥め」「一弥め」と呪いの大合唱をするお嬢さんたちの様子を想像するだけで、お腹がよじれそうです。
そして、お腹がよじれそうといえば、ブロワ警部ですよね(笑)。素晴らしく美男子なのに、ドリル頭(笑)。しかも今回からは、更に二又状態・・・。アレ、自分でセットして1つから2つに出来るんですねぇ。色んな意味で凄いですよ(笑)。そんなブロワ警部が、幼馴染で初恋の相手・ジャクリーヌの為に、いやいやながらヴィクトリカに電話する姿が、非常に良かったですね。「尖らすといったら尖らす。増やすといったら増やす。それがわたしという男の生き様だ。信じろ」・・・って、言葉はカッコいいのに、ワニ口ドリル・・・、ぶはははは!

外伝的短編が『春来たる死神』『夏から遠ざかる列車』と来て、『秋』も出てるんですよね。ということは、『冬』も出るのよね~きっと、と楽しみにしています♪ああ、もちろん!本編の方も。・・・ただ、本編は二人が引き裂かれる方向に進んでしまいそうで、ちょっと、ねぇ・・・。いつまでも子供ではいられない、哀しいことだけど。二人がそれを乗り越えられるといいなぁ・・・と思っています。

(2011.01.16 読了)




水無月・Rの『GOSICK』シリーズ記事
『GOSICK』
『GOSICK Ⅱ ~その罪は名もなき~』
『GOSICK Ⅲ ~青い薔薇の下で~』
『GOSICK Ⅳ ~愚者を代弁せよ~』
『GOSICK Ⅴ ~ベルゼブブの頭蓋~』
『GOSICK Ⅵ ~仮面舞踏会の夜~』
『GOSICK Ⅶ ~薔薇色の人生~』
『GOSICK Ⅷ 上 ~神々の黄昏~』
『GOSICK Ⅷ 下 ~神々の黄昏~』
『GOSICKs ~春来たる死神~』
『GOSICKsⅡ ~夏から遠ざかる列車~』 (本稿)
『GOSICKsⅢ ~秋の花の思い出~』
『GOSICKsⅣ ~冬のサクリファイス~』

『GOSICK RED』
『GOSICK BLUE』
『GOSICK PINK』
『GOSICK GREEN』

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この記事へのコメント

苗坊
2015年10月04日 14:41
こんにちは^^
短編集も本当に面白かったです~!!
特に一弥の姉瑠璃のお話が好きでした。
あそこまで愛されているなんて羨ましいですよね。きっと10年後よりももっと早く2人は結ばれるんじゃないかなぁなんて勝手に妄想しています。
一弥の女難は日本からの怨念なんですね^^
そしてブロワ警部。
この人あんまり好きじゃなかったのですが←この本を読んで考え方がかなり変わりました。
二又ドリルでもめちゃくちゃかっこよかったです^m^
2015年10月04日 14:49
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
瑠璃さんは、何と『RED』『BLUE』にもちょっとだけ出演しますよ♪
可愛らしくて、素敵なお姉さんですよね(*^_^*)。
ええ、グレヴィール、実はすごい人なんです(笑)。ワニ口ドリルでも(爆)!この人のトホホなところ、私大好きなんですよねぇ♪

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