『デカルコマニア』/長野まゆみ 〇

あ~。これは、忙しいときに読んじゃダメな作品だったわ~(^_^;)。
10日ぐらいかけて、切れ切れで読んだら、混乱しまくりでした・・・。
長野まゆみさん、ごめんなさい~。
メビウスの輪のように廻り廻る一族の系譜を描いた、『デカルコマニア』
長野さん作品のこういう雰囲気のある物語は、好きなんですけど、どうにも今回は、間が悪かったなぁ。

いやぁ~実はですね、とにかくタイムトラベル装置「デカルコ」であちこちの時代に話が飛ぶので、どの人物が誰なのか…何故むやみにあちこちに現れ意味深げな予言やアドバイスを与えるのか、考えるのが面倒臭くなってしまったのですよ(笑)。
なのでとりあえず、21世紀の少年・シリルが読み、自分の解釈を加えて記しなおした「15世紀の技術で作られた本に描かれた23世紀の物語」を読み続けることにしました。細かいこと考えても、分からん…ってことで。
シリルの物語の終わりの辺りと、シリルの弟・ミロルの物語で、「デカルコ」搭乗者たちの目指すところがやっと判って、あ~そういうことか!と納得のエンドを迎えて、結構ほっとしてた私がいたのでした(^_^;)。
ただ、そこまでいろいろ小細工が必要だったのかしらん…と思うことはあったなぁ。

「タイムトラベラーが歴史に干渉すると未来がねじ曲がる。故にそらはタブーである」というのが、タイムトラベル物の基本なんだけど、この物語ではその前提は全く無視され(関係ないとような言及すらある)、「デカルコ」搭乗者たちは跳んだ先の時代の自分の血族にやたら係わっている。何か、壮大な目的があるかのように。実際、その目的があり、果たされるんだけど、いやホント、複雑でした。
この物語の中心であるドラモンテ卿一族がこのタイムトラベラーと最初に係わるのが、二十世紀の始まりの頃で、その頃のD卿はアモル。アモルの息子ソランジは戦争中に行方を経つが、ソランジには懐妊中の婚約者〈ロレ〉がいた。ロレとアモルは出会えずじまいでアモルは死去するが、アモルの死後、ソランジが婚約者の為に作った指輪を持つものが現れたら、D卿の直系として認められるという遺言が残されていた。そして年月は流れ、ソランジの指輪を持つものが現れ、D卿の一族は二十一世紀現在を生きている。
タイムトラベラーは二十三世紀から来て、何度も色々な時代に姿を現す。少年・女性・青年、色々な姿を持って。
その目的と手段は、驚くべきもので、明らかになった時には、へぇぇ~!と感心した。

幻想的な描写、絶妙なほのめかしをされる登場人物たち。
運命の相手と廻り合わせるために策略の糸をめぐらせ、表向きはあっさりとしている家系図が実は奇妙なメビウスの輪を描いていること、現れては消える海王とその王子のエピソード。
美しく、複雑で、緻密な物語でした。

(2012.02.12 読了)

デカルコマニア
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長野まゆみ 新潮社発行年月:2011年05月 ページ数:280p サイズ:単行本 ISBN:9784


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