萩原浩『さよならバースデイ』 ○

言葉を理解し、3語文を表現できるボノボ(サル)、バースデイの実験に関わる2人の研究者の自殺。2人目の研究者の恋人が自殺のなぞを追う。

萩原浩『さよならバースデイ』
恋人の最後を見ていたはずのバースデイは、真実を語るのか?
バースデイの実験は、まやかしだったのか?

バースディの実験に絡んで、自殺者が出た訳が明かされ、バースディの実験の真実が明かされ、2人目の自殺者の苦しい心境を、バースデイが機械をつかって、残された研究者の恋人に伝える。
実は、バースデイは3語文を理解し表現しているのではなく、2人目の研究者の巧妙な細工によって答えを教えられていたのだが、その手法で「何故、実験に細工をしたのか」「何故自殺をせざるを得なかったのか」を、バースディが表現するそのシーンに、苦しくなった。バースディは自分がつづっている「自殺した研究者」の言葉が分かるわけではないのに、静かに悲しみの面持ちすら表していた。もちろん、一番苦しんだのは残された恋人なのだが。

物語の登場人物を「自分だったらどうするか」、と考えることがあるが、2人目の自殺した研究者の苦しい気持ちには、とても寄り添えなかった。私なら、もっと早い段階に、逃げていただろうから・・・。

(2006.9.10 読了)

≪ご注意≫
著者名:萩原浩の「浩」を「猛」と入力間違いしていたことに、1/31気が付き、訂正しました。


なお、明日2月1日より朝日新聞(夕刊)にて、萩原浩氏の連載小説「愛しの座敷わらし」が始まります。問題を抱えた家族が、きずな回復を期待してイナカ暮らしをするが、その家に座敷わらしが現れ・・・という小説だそうです。楽しみです

さよならバースディ
楽天ブックス
著者:荻原浩出版社:集英社サイズ:単行本ページ数:299p発行年月:2005年07月この著者の新着メ


楽天市場 by ウェブリブログ



"萩原浩『さよならバースデイ』 ○" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント