『Story Seller』(小説新潮08年5月号別冊)/アンソロジー ◎

基本的に「本は図書館派!」な水無月・Rですが、有川浩さんの作品が読みたくて買ってしまった『Story Seller』。好きな作家さん&読んでみたいなぁと思ってた作家さんが勢ぞろい。
なかなかにこれは面白そう・・・おお~、期待通りに、面白いぞ~!
読み応えは長編並、
読みやすさは短編並
っていう表紙のキャッチフレーズ、ぴったりですよ~(^^)。

アンソロジーってテーマで選べるから作品的ハズレが少ないし、今まで読んだことのない作家さんの作品をお試し読みが出来るので、結構好きなんですが・・・。
逆に読みたい本リストがまたまた長~くなるという、ワナが待ち構えてます(笑)。

「首折り男の周辺」伊坂幸太郎
首折り殺人の犯人に間違われる、そっくりな気弱男・小笠原稔。小笠原を疑う、安永夫妻。首折り男・大藪の「誰かの役に立ちたい病?」に伝染したか、いじめられている少年(以前大藪に会ったことがある)・中島翔にアドバイスと手助けをする。後日首折り男の死亡記事を読んで驚く少年。
伊坂さんの物語構成の巧さが如実に表れてます。タイトルの首折り男は死んでしまうんだけど、なんだかホッとするような、暖かさにあふれて微笑ましい物語でした。

「プロトンの中の孤独」近藤史恵
『サクリファイス』の外伝だそうですが、実は本編未読。自転車競技…あんまり興味ないなぁ、と思ってたので。
ですが・・・。うわぁ~やっぱりワナにかかったッ!読みます・・・、本編(笑)。
自転車ロードレースチームに所属する男・赤城。赤城と同時期に入団した石尾。チームのエース久米。久米の取り巻きや監督も入り混じった人間関係。
レース内で繰り広げられる、お互いの心理まで織り交ぜた複雑な戦略。こ、これは面白いわ。

「ストーリー・セラー」有川浩
素晴らしい物語でした。別に記事を上げているので、コチラをどうぞ。

「玉野五十鈴の誉れ」米澤穂信
斜陽の旧家小栗家の跡取り娘・純香。傲然と一家を支配する祖母に与えられた使用人・玉野五十鈴。厳格で息苦しい生活の中、才長けた五十鈴との交わりだけが安らぎであったのに、父の縁者の起こした事件で跡取りを廃され、五十鈴とも離れ離れにされ幽閉される。
再婚した母が男の子を産むが、その子は事故により死亡。狂乱した祖母は憤死。家に戻って来た父にそのことを教えられた純香は、五十鈴と再会することを望む。
五十鈴のかたくなさ、事故の原因・・・。ひそやかな湿り気を帯びた恐怖を感じました。

「333のテッペン」佐藤友哉
佐藤友哉さんと東京タワー。先日読んだ『世界の終りの終わり』を思い出しますねぇ。
今回は東京タワーのてっぺんで起きた殺人事件。タワー下の土産物屋で働く土江田。元は裏稼業の男のようである。その土江田と女子高生の推理により殺人事件は解決に至るが。
ぜひ土江田の元の職業時代の話も読んでみたいものです。佐藤さんらしいバイオレンスたっぷりな物語なんだろうなぁ。

「光の箱」道尾秀介
童話作家の圭介。高校の同窓会に出席するために、帰郷する。小学生時代に書いていた「赤鼻のトナカイ」の歌にインスパイアされた物語。中学高校と一緒に過ごした少女・弥生。弥生の巻き込まれた事件。圭介の誤解。
そして、弥生と夫の同窓会出席。・・・物語は大きく拡がる。優しく暖かい、物語の終わり。

「ここじゃない場所」本多孝好
クラスメート・秋山隆二のテレポーテーションを目撃してしまった郷谷利奈。彼を尾行してたどり着いた洋館には、それぞれ奇妙な能力を持っていそうな4人がいた。元犯罪者を処刑する殺人集団「アゲハ」と彼らの関係は?そして利奈に迫る、ストーカー。そのストーカーは隆二たちにより、蹴散らされる。利奈の失恋。
ここに出てくる4人を描いた作品を執筆中だそうです。

これら7編、とてもよかったです。
有川さん・伊坂さんはもう言うことなし!
佐藤さんも、結構好きな作家さんだなというのを再認識。
そして、近藤さんの『サクリファイス』を読まねば~あはは。続編も08年後半から連載開始予定だそうです。
米澤さん・道尾さん・本多さんも、著作リストをチェックしております。
案の定、アンソロジーのワナにはまる水無月・R・・・。
予想通りすぎですよ(笑)。

(2008.06.10 読了)

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]
『Story seller』シリーズ

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