『四畳半神話大系』/森見登美彦 ◎

冴えない大学3回生の私。1回生の春、サークル活動のビラを手に時計台の前で、薔薇色の学生生活を夢見ていたのが分岐点。繰り返すパラレルワールド。しかし、どのルートを通っても結果は薔薇色とは縁遠く・・・。
相変わらず森見登美彦さんの描く「腐れ大学生」は、トホホで愛があふれているなぁ。(恋愛じゃなくて、阿呆で愛おしい方の愛ね(笑))もちろん、笑いどころもたっぷりでございますよ。

出てくる登場人物たちが、ことごとくキャラ立ちまくり。そして自由奔放に、物語をひっかきまわす。
他人の不幸で三杯のご飯が食べられる悪魔のような男・小津は親友である。
「下鴨幽水荘」の2階に住むとらえどころのない男・樋口。
孤高の黒髪乙女・明石さん。
酔っぱらうと男の顔を舐めたがる歯科衛生士・羽貫さん。
映画サークル「みそぎ」の前実力者・城ケ崎と現リーダー・相島。
この連中が「私」の周りを激しく飛び回るのである。そんな状態で平穏な生活を送れるはずがありません(笑)。

『四畳半神話大系』、はパラレルワールドの物語であるが、パラレルなんていう横文字を使うと小洒落た感があるな。これが全くもって小洒落れてなくて、とんでもなく男汁にまみれた、まったりとトホホな並行世界。
思わず「お~~い~~・・・もうちょっとしっかりしろよ~」と語りかけたくなるくらいの腐れ大学生っぷり。

「四畳半恋ノ邪魔者」では映画サークル「みそぎ」から逃亡して隠遁生活を送る私。
「四畳半自虐的代理戦争」では樋口さんに師事し、VS城ケ崎氏の悪戯合戦に明け暮れる毎日。
「四畳半の甘い生活」ではソフトボールサークル「ほんわか」が宗教団体だと気づき、遁走した末に、3人の女性(?)の間で立ち往生。
3つの「もし」の世界。しかしながら、主人公は「幻の至宝、薔薇色のキャンパスライフ」を手に入れることは出来ず、小津と出会ったことが人生の汚点だったと四畳半にぐずぐずとわだかまってるだけ。各章終わりに明石さんとの相思相愛が示唆されるが、その恋愛生活自体は語られない。

今まで半分引きこもりとは言え外界との接触が大いにあったのだが、「八十日間四畳半一周」では自室の四畳半だけが延々と続き、ただ一人で80日間も彷徨うという、あまりにもトホホな世界が広がっていたのである。
自室の四畳半を巡る旅・・・歩けど歩けど、目の前にあるのは小狭くも小汚い己の住処。食すのはカステラと魚肉ハンバーグだけ。しかも、すべての四畳半は自分のそうであったかもしれない並行世界。
・・・すっごく後ろ向きになりそうなシチュエーションだな(笑)。

そこからやっと脱出した私は、賀茂大橋で小津や明石さんと巡り合い、蛾の大群に襲われ、物語は大団円を迎える。
この章では京都大学にうごめく秘密組織「福猫飯店」の姿が少し見えてきます。他のモリミーワールドにも出てくる〈図書館警察〉〈にこやか自転車整理軍〉〈印刷所〉〈閨房調査団青年部〉〈詭弁論部〉などを下部組織とした、目的があるようなないような・・・。モラトリアムな大学時代って、何でもありですなぁ。

今回も!楽しく読ませていただきましたよ!
願わくば、私と明石さんのその後を読んでみたいなぁ。「成就した恋ほど語るに値しないものはない」と言ってますが、二人の甘ったるくも辛口で一風変わった恋愛なら、読む価値はあるでしょう~!
書きたいことはいっぱいあるんですが、先ほど我が駄文を読み返してみて長文すぎることに気が付きました(←書いてるうちに気付け。)。
なので、やっぱりこの混沌世界な四畳半はぜひ読んで体験してください(笑)、と言い逃れすることにします。

あ、それから。
もちぐま・・・欲しいな~。もちもち、むにむにと愛でたいです。きっと精神が安定るするに違いない。

(2008.06.16 読了)

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角川文庫 著者:森見登美彦出版社:角川書店/角川グループパブリッサイズ:文庫ページ数:405p発行年


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