『魔法』/クリストファー・プリースト △

・・・ええぇ~と。・・・コメントがしづらいな(笑)。
やっぱりあれだよ、特に外国作品は、書評で選んじゃいけないってことですね、水無月・R的には(^_^;)。
しかも、その書評で心惹かれたネタがすでに記憶の彼方(←記憶力弱すぎ)。やっぱり書評で「読みたい本リスト」に加える場合、ちゃんと心に引っかかったフレーズを書き残しとかないとな(笑)。
てな訳で、クリストファー・プリースト『魔法』、いっちゃいますか!(←無責任過ぎ)

映像撮影家・リチャード・グレイは、とある爆弾テロの後遺症でその前数週間の記憶を失っている。療養中の彼のもとに、恋人だと名乗る・スーザン・キューリーが現れる。リチャードには、彼女の記憶がないが、彼女の語ることに触発され、休暇でフランスへへ行って、彼女と出会い、彼女の複雑な元恋人・ナイオールとのの別れの難しさに直面させられたことを思い出す。ところが、スーザンの語る出会いのシーンやナイオールとのいきさつの物語が、記憶と違っていて、双方の視点から(各自の1人称で)各人の物語は繰り広げられる。

物語の焦点はスーザンの主張する「不可視な人間」の存在。スーザンは、元恋人・ナイオールやスーザン、そしてリチャードまでもが「不可視人」なのだという。が、現実主義のリチャードにはそれが信じられず、且つ記憶の相違により、リチャードの心はスーザンに惹かれながらも離れていく。

不可視人を事実と認めるならファンタジーであるし、認めないならパラノイアの気のあるスーザンの妄想物語とも言えるのだが、最後まで読み終わっても、どちらとも判断できない。ある意味その判断のできなさが物語の主軸なのだろうけど、はっきりしてくれよ的読者(短気)な私としては、ちょっと物語に納得できず。

ナイオールは、存在するのか?もしかして、スーザンの妄想ですらなく、リチャードの第2の人格なのだとしたら?いや、リチャードは実は、不可視人ではなく時空を超える能力の持ち主なのでは?だとすると、ナイオールって?!・・・とまで思い描いてしまうけれど、私的には何のヒントも得られなかった最終章。
ああ~!すっごく消化不良です!ここで上手いこと消化出来れば、結構面白い作品だったのにな~。

因みに、不可視人とは、スーザンいうところの、存在感が薄すぎて人に認識されない能力なのだそうです。無賃乗車、他人の家に勝手に侵入してやりたい放題、店の品物も盗み放題(不可視人の行動は見とがめられることがない)・・なんていう、とんでもない能力です。能力と言っても努力で得られるものではなく、生来のものらしいんですけどね。スーザンの説明は微に入り細に穿ち、ある程度の裏打ちらしきものすらあり、あり得るのではないかと思えてしまう。ただし、リチャード側に立つと、それはスーザンの妄想であり、不可視人の存在自体信じられない。もちろん、自分がそうなのだ、なんて。
大体、そんな奴がいて私の生活を覗いてたとしたら・・・うっわ~、恥ずかしすぎる(笑)。頼むから、真実存在しないでくれぇ~。

不可視人の力は「魅了する力(ザ・グラマー)」と表記される。逆の意味じゃないの?という気がするんだけど。魅了する力なら、注目を集めちゃうんじゃないかしらん。まあ「Glamour」には「魅力」「魔法」などの意味を多々含んでるから、それを全部絡めて考えれば、不可視の力の名称はそれでもいい・・・のかな?

いや~。ちゃんと読んだつもりだけど、最終章の末尾でリチャードが絵葉書をスーザン宛に出す、という描写が出てきた時点で、「物語を理解しようとするなけなしの努力」が流れ去っていきました(笑)。

(2008.08.18 読了)
魔法 (夢の文学館)
早川書房
クリストファー プリースト


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