『ドミノ』/恩田陸 ◎

・・・まさにドミノのようだ。
28人の登場人物たちそれぞれの事件だったはずが、ある事件は必然的に、ある事件は偶然かそれとも運命か、いつの間にか撚り合わされて、一つの地点へと転がってゆく。
この盛り上がりは、ただものじゃないです。すごいすごい~!
それぞれの事件がばらばらに語られる前半はちょっと集中できなかったのですが、それぞれの事態が東京駅に集結して、怒涛の終焉が予感されたときから、もう続きが気になって気になって、すごい勢いで読み進めました(もちろん、ニヤニヤ笑ったり、ツッコミを入れたりしながら)。

恩田陸さんと言えば、しんしんと怖かったり、不穏だったりと、どちらかというとシリアス方向で、緻密な展開をする作品しか読んだことがなかったので、本作『ドミノ』はかなり意外でした。意外だったけど、大当たりですよ~。

いやぁ~、おもしろかった!
登場人物も多いし事件も色々だから、最初は把握するのに時間がかかったんですが、人名が出てくるたびに、巻頭の「登場人物より一言」のページに戻って確認するうちに、それぞれのキャラや関係性がしっかりアタマに刷り込めました。
個人的に好きなのは、やっぱり「関東生命メンバー&ぴざーや」の出てくる章ですね~。
なんだろう、あの激しくトホホな雰囲気(笑)。元暴走族の巨大バイクの後ろに乗って、放心する額賀部長がステキすぎる。冷静沈着なOLかと思いきや、実は暴走族総長・えり子が、ぴざーや店長・健児と電話してる時やバイクを奪うシーンで豹変するところが、すごくて笑える。しかも、そのえり子の豹変ぶりに一瞬驚きつつも、すぐさま順応する和美の肝っ玉の太さにも感激。姉御肌だなぁ。
子役たちの活躍も、清々しかった。最後にインタビューされ時に、ちゃっかり自分たちの出演する舞台や番組を宣伝するところが、子供ながら抜かりがない!と感心して笑えた。彼女らは、きっといい役者になるね~。今回、いろんな経験したことだし、ネ。

そうそう、来日中の映画監督のペット「ダリオ」。何故かず~っと、ミニチュアダックスフンドだと思い込んで読んでいました。途中でイグアナだと判った時は、とってもビックリ(笑)。思い込みっておそろしいね。読みながら茶色いミニチュアダックスフンド(短毛種)が紙袋にもぐりこむところを、何の疑問も持たず想像していました・・・(^_^;)。どんだけおマヌケなの、水無月・Rよ・・・。
単行本はイラスト入りの登場人物紹介だったらしいので、そんな間違いを犯すこともなかった・・・んだろうとは思いますが。読んだのはイラストなしの文庫版・・・て事で、多少は自分を許してあげようかな~。

登場人物全てのキャラが立っているのに、うっとおしくないのは書き分けの妙ですね。それぞれが、それぞれらしく事態に対処しているから、違和感がない。
意外なところで意外な事態が交差したり絡み合ったりして、全ての事態が東京駅へ向かって怒涛の勢いで収束していくその展開、息もつかせぬジェットコースタームービーならぬ、ジェットコースター小説でしたね~。
非常に楽しくそのを満喫しちゃいましたよ。

(2009.11.05 読了)




"『ドミノ』/恩田陸 ◎" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント