『和菓子のアン』/坂木司 ◎

和菓子はいいよねぇ~♪草大福、大好き。
もちろんこの作品も、草大福をほおばりながら、美味しく読ませて頂いちゃいました。
と言いつつ私、坂木司さんの作品、あんまり読んだことなかったんですよね。でも、こういうほのぼの系ミステリは、好きです。
食べることが大好きでちょっとふっくら系の女の子・杏子が、アルバイト先のデパ地下の和菓子屋さんでちょっとした謎に出会う『和菓子のアン』
和菓子って、色んな物語を内包してるんですよね~。

高校は卒業したけど、進学も就職もしなかった杏子。春を過ぎてちょっとあわて始めたころ、デパ地下の和菓子屋さんの求人を見つけ、すんなり仕事が決まる。
しっかり者だけど株や予想当ての大好きな椿店長、職人志望でイケメン社員だけど実は乙女な立花さん、可愛い女子大生でも元ヤンのアルバイト仲間・桜井さんを始め、同じデパ地下勤めの他のお店の人々やお客様、色々な人たち及び和菓子と関わりながら、杏子は今日も一生懸命働いている。何故か、ちょっとした謎に出会いながら。その謎は、微笑ましい感じで解決されていくことが多い。

和菓子とささやかな日常の謎が、上手~く絡んで物語を形成。
和菓子の歴史や、ネーミングが粋な駄洒落っぽかったり、一つ一つの和菓子にまつわる物語など、知ってるようで知らない和菓子の世界が、とっても楽しかったです。
主人公の杏子が素直ないい子で、元々の知識はなくても、和菓子に対しても熱心に覚えようとしてるから、椿店長や立花さんや立花さんの師匠も、親切に優しく(時々は悪戯っ気も込めて)教えてくれて、全然説明っぽくなかったのがマル。

デパ地下は割とよく知られた空間だけど、そこで働いてる人たちってどんな感じ?どんなお仕事?どの辺までがデパートの社員さんなの?社員(勤務者)割引って、どんなものがあるの?なんていう、知られざるヒミツがたくさん出て来て、へぇぇ~なるほど~と色々感心。
私も機会があったら、デパ地下みたいなところで働いてみたいなぁ~。面白そう&お買い得&美味しそう、ですもんね。もちろん、働くってそんな簡単なことじゃない、というのは分かってますが。

杏子は立花さんに「杏子の杏は〈アンズ〉だからアンちゃんね」と呼ばれるようになるんだけど、その立花さんのオトメン(乙女系男子?)っぷりたるや、可愛らし過ぎてニヤニヤしてしまう。フロアでボヤ騒ぎに遭遇すると、「お茶でもして帰らないと怖くて落ち着かない」なんて・・・どこの女子高生だよ!と(笑)。お客様の恋バナにときめいちゃったり、いい話に遭遇すると身をよじって感涙にむせんじゃったり、杏子のふくふくなほっぺたをつつき回したり・・・。
トホホの香り(笑)はあんまりしないけど、女性の多い職場にこういう人がいると、和みそうだなぁ(笑)。キモイとか言う人もいるだろうけど。私はあんまりベタ~っとしてなければ、結構OK派ですね。
お客さんの前では、知識のあるイケメン店員で、世田谷マダムとかに秘かにモテたりしてるのにねぇ。その惜しい感じが、逆にほっとします。出来過ぎな男はつまらん(笑)。

アンちゃん(杏子)と立花さんの間は、恋が始まるのかどうなのか?
元ヤン桜井さんが活躍するお話はないのか?
困ったお客様と椿店長の丁々発止のやり取りが見たい!(店長は全く冷静で)
立花さん職人としての独立物語はあるのか?
などなど、シリーズ化されたら読んでみたいエピソードが色々でてきます。
シリーズ化されないかなぁ・・・。

ホントに、無性に和菓子が食べたくなる作品ですね♪
でも・・・上生菓子って、高いんですよねぇ(^_^;)。美味しいお店も知らないし。
みつ屋さんみたいな和菓子屋さん、ないかしらん。上得意様にはなれないけど(^_^;)。

ところで。
全編と~っても面白かったんですけど、一か所非ッ常~にツボにはまって、大爆笑したシーンがあります。
でも、和菓子のシーンじゃないの。ごめんなさい坂木さん・・・<m(__)m>。
最後の方に、立花さんと杏子がシフォンケーキのお店に行って結構しんみりムードになってた時の、ウェイトレスさん。
~~「三十秒!」
  「え」
  「三十秒でしぼみはじめますから、早く召し上がってください。
   焼きたてのスフレを前にしたら、全てはは後回しです」~~
  「スプーンを持って。早く!」~~ (本文より引用)
凄い・・・大迫力だウェイトレスさん(笑)。そっか、シフォンケーキは何事にも優先なのね(笑)。

(2010.11.20 読了)

和菓子のアン
楽天ブックス
坂木司光文社この著者の新着メールを登録する発行年月:2010年04月登録情報サイズ:単行本ページ数:


楽天市場 by 和菓子のアン の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




"『和菓子のアン』/坂木司 ◎" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント