『聖なる怠け者の冒険』/森見登美彦 ◎

本作『聖なる怠け者の冒険』なんですが、実は新聞連載時に、読んでたんですよね。でも、新聞連載小説って単行本にするときに結構加筆修正するものだし、やっぱりまとめて読みたいよねぇ~、なんて気軽な気持ちで読み始めてびっくり。
いやぁ・・・、ホンットにビックリした~(笑)。同じ話じゃないよね(笑)。さすがモリミーこと森見登美彦さんの宵山ワールドだわ・・・。恐れ入りました!

とある化学企業の京都の研究所に勤める小和田君は、本作の主人公のはずである。が、大変な怠け者なので、全然活躍しない(笑)。
京都の祇園祭の宵山の熱狂のさなか、京都の人々を救う正義の味方「ぽんぽこ仮面」を追い回す人々、彼の逃走に手を貸す人々、何故かぽんぽこ仮面の2代目として引き継ぎを要請される小和田君(←ぐうたらしたいからと、固辞)。
小和田君、その先輩の恩田さんと彼女の桃木さん、ぽんぽこ仮面を探す浦本探偵とその助手玉川さん、ぽんぽこ仮面を追う可笑しな組織、その上部組織も人離れした面子を持ち、さらなる上部組織・・・とぐるぐる回って、頂点におわすは、山車「狸山」に住まう八兵衛大明神というむっちり太った子供(神様)。

う~~ん、モリミー得意の宵山(パラレル?異次元?)ワールドですねぇ。
でもその中で「道に迷うこと」を得意?とする玉川さんの「迷うべき時に迷う」能力がいかんなく発揮され、小和田君を八兵衛大明神のところから救出するんですよ。玉川さん凄いなぁ(笑)。迷ってるからこそ、脱出できるっていうのは、なんか意味深ですな。かつて子供の頃、宵山で迷いついでに八兵衛大明神に遭遇し、そこから逃げ出せたという実績があるってのも、玉川さんの素敵なところ♪
探偵浦本氏も、ぐうたらしてるくせに変な事件に対してすごく解決力が高い(笑)。いや、なんか成り行きみたいな感じの流れで解決しちゃうところが、なんかホントはキレモノなのか?なんて、ねぇ。

いやぁ。とにかくね、いろんなことが起こるんですよ。そんで、いろんな人が、バタバタと走り回って、大立ち回りを演じるわけ。そのど真ん中で、ぐうぐう寝てる小和田君、ほぼ常に《谷川でじっくり冷やした地蔵のように》落ち着いている小和田君、すご過ぎる(笑)。ちょっとだけ正義感が出てくることもあるけど、結局怠惰で八兵衛大明神に音を上げさせるんだから、大したもの。良くも悪くも、揺るがない人だわ(笑)。

あちこちでモリミー作品のキーワードが出て来る。
狸然り、毛玉然り、テングブランこと偽電気ブラン、下鴨幽水荘、宵山の赤い浴衣の少女たち、そして四畳半(笑)。
てんこ盛りの事件、次々に判明する不可思議で意味の分からない事態、なのに主人公は土曜日をぐうたらしようとし、逆に土曜日を充実させようと奔走する人々あり、宵山の熱狂が異世界を呼んで神様とも通じちゃったりして、とにかく混沌。
それが、たった1日に凝縮してるんだから、大変な事で(笑)。
私だったら、こんな一日を過ごしたら、翌日はぐったりしちゃうなぁ。そこそこ元気な登場人物たちって、すごいですねぇ。若さ故かしらん。

ラストに、「これはまた別の話」的なエピソードがいくつか書かれてるんですよ。モリミー、いつか書いてくれるかなぁ。楽しみに待ってます♪
それから、あとがきに『宵山万華鏡』『有頂天家族』とも水面下でつながってるって書かれてますし、いろいろ面白いことになりそう。

(2014.02.11 読了)

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森見登美彦 朝日新聞出版【本屋大賞ノミネート作】 発行年月:2013年05月 ページ数:339p サ


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