テーマ:筋の通った気風のよさ

『悪玉伝』/朝井まかて 〇

ううむ・・・。なんか、少々感想が難しいなぁ・・・。本作『悪玉伝』は、実際に江戸時代に起きた「辰巳屋騒動」という、大阪の商家相続の争いを発端とし奉行所役人への収賄で御家人に死罪が言い渡されるに及ぶ、なかなかにセンセーショナルな大事件を描いたもの。朝井まかてさんらしい爽快感はやや抑えめ、私的にはちょっと物足りなかったかなぁ。まあ、かの大岡越…
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『銀の猫』/朝井まかて 〇

江戸の庶民の情緒を描けばピカイチの朝井まかてさん。本作『銀の猫』では、介抱人として女中奉公をするお咲の仕事ぶりと日常を丁寧にたどる、ほっとするような物語です。 母親が婚家(今は離縁している)にした借金を返すため、普通の女中奉公よりも給金の良い「介抱人」をしているお咲。江戸の老人介護は、基本「一家の主が担うもの」だということだけれど、手…
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『福袋』/朝井まかて ◎

江戸っ子と言えば、喧嘩っ早くて気風がよくて・・・でも、正反対の面もあったりして。そんな江戸っ子たちの日常を楽しく読みました。朝井まかてさんの描く江戸っ子の日々は、ひねりが効いていて、ニヤニヤしたりほろりとしたり、まさに『福袋』のタイトル通りの色々な物語の詰め合わせ、お得感満載でした。 どの話も面白かったですねぇ。「ぞっこん」の主人公、…
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『眩』/朝井まかて ◎

葛飾北斎の娘・お栄(画号・應為)の、絵師としての人生を鮮やかに描く物語。朝井まかてさんの描く主人公・お栄の気風の良さが、とても心地よかったです。『眩』(くらら)というタイトルも、いい。「絵」というものに魅せられ魅入られ、生涯を傾けて描いてきたお栄の「くらくらするような心持ち」を端的に表していると感じました。 葛飾北斎と言えば、江戸時代…
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『かたづの!』/中島京子 ◎

江戸時代唯一の女大名・南部祢々の生涯を、南部藩の秘宝である〈かたづの〉が語る。 いやあ、面白かったけど、もどかしかったわぁ。何もかもが思い通りななる訳もなく、様々な苦難に遭遇する祢々(清心尼)の人生は、本当に波乱万丈。 中島京子さんの想像力と史実とファンタジーが、見事に一体化し、歴史を彩る。 『かたづの!』、大変惹き込まれましたね…
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『残り者』/朝井まかて ◎

江戸城無血開城の前夜。江戸城の女主である天璋院と和宮がそれぞれの侍女を連れて退去し、無人になったはずのその西丸大奥に、ひそと残った者が、5名いた。それぞれの理由で『残り者』となった彼女たちの、長い長い夜と、それぞれの思い。読んでいて、とても楽しかったです、朝井まかてさん!!彼女たちの、自らの職務への矜持と幕府終焉への割り切れぬ想い、そし…
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『藪医ふらここ堂』/朝井まかて ◎

「面倒臭ぇ」が口癖の小児科医・三哲、その娘のおゆん、おゆんの幼馴染で三哲の弟子・次郎吉。江戸の小児科医〈ふらここ堂〉には、様々な患者が訪れる。朝井まかてさんの粋な江戸情緒たっぷりの、楽しい物語です!『藪医ふらここ堂』、ふらことこは庭の山桃の木に取り付けてあるブランコのこと。三哲が藪医と言われるのは・・・まあ、色々ありますわなぁ(笑)。 …
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『御松茸騒動』/朝井まかて ◎

徳川御三家の惣領家でありながら将軍相続に負けた過去から、「尾張のしなび大根」と揶揄される尾張藩。若き藩士・榊原小四郎は、幼少より才覚優れいずれは藩の財政立て直しをと夢見ていたのが、平生の態度が災いし、〈御松茸同心〉として国元勤めになることに。彼は着任して初めて、尾張の名産品「松茸」をめぐっての『御松茸騒動』を知ることになる。いやぁ、やっ…
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『阿蘭陀西鶴』/朝井まかて ◎

井原西鶴。『好色一代男』を筆頭に、『日本永代蔵』『世間胸算用』など、斬新な草子をたくさん描いた戯作者。そういえば、矢数俳諧とかもやってたんだっけ~、ぐらいの茫洋とした知識で読み始めました。異端で奇天烈を意味する「阿蘭陀(おらんだ)」を自ら冠する男『阿蘭陀西鶴』の半生を、その盲目の娘・おあいの視点で描く。朝井まかてさんの語る、日本初のベス…
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『恋歌』/朝井まかて ◎

終章、どんどんと熱くなる胸の内に、我ながら驚きました。名門歌塾「萩の舎」の主宰・中島歌子の生涯を描き、第150回直木賞を受賞した『恋歌』、とても素晴らしかったです。朝井まかてさんの作品は、心に沁みますねぇ。 詩歌共に苦手な私にとって、中島歌子と言えば「明治歌壇の華」というイメージがぼんやりある程度でした。こんなにも過酷で波乱に満ちた人…
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『砂子のなかより青き草』/宮木あや子 ◎

実を言うと、清少納言は苦手でした。才気煥発・当意即妙、『枕草子』というエッセイで宮中の注目を浴びる華やかさが、私には眩しすぎて。でも、『砂子のなかより青き草』に描かれる清少納言は、頭は良いけれど、悩んだり迷ったりしながら、失意の連続の中でも少しでも明るさを見つけようと苦心する、とても現実味のある女性の姿をしていました。結構、好きになった…
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『ぬけまいる』/朝井まかて ◎

柄杓を持って、お伊勢に行こう♪なんだか、私も旅に出たくなりました。…つっても、しがらみがイロイロあるから、ホントは出られませんが(^_^;)。でも、猪鹿蝶3人と一緒になって、ワクワクしながら旅をすることが出来ましたよ。朝井まかてさんの作品は、ホントに面白いなぁ。伊勢参拝の抜け詣りって、知ってはいたけどこんな感じだったのねぇ。『ぬけまいる…
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『先生のお庭番』/朝井まかて ○

うう~ん、なんか複雑・・・。主人公・熊吉(コマキ)の様々な経験や成長、日本の自然の美しさの描写、シーボルトと日本人たちの交流などは、良かったんですけどね。その点は、さすが朝井まかてさんだなぁ、って思うんですよ。だけど、どうも、シーボルトの真の素性とか駆け引きとか、そういった面はちょっと…って感じてしまったんですよねぇ。とは言え、事実だし…
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『すかたん』/朝井まかて ◎

「すかたん」って、大阪言葉だったんですねぇ。ヤ○ターマンのド○ンジョ様の口癖「こ~の、スカタン~!」で聞き慣れ過ぎてて、知らなかったです。・・・ドロ○ジョ様って、大阪娘だったのね(笑)。って、いきなり脱線しちゃいましたが、朝井まかてさんの『すかたん』、後半特に、ぐいぐい引き込まれました。美味しいお野菜、それから上手に作ったお番菜、食べた…
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『ちゃんちゃら』/朝井まかて ◎

面白かった~!朝井まかてさんの前作『花競べ ~向嶋なずな屋繁盛期~』も面白かったんだけど、本作『ちゃんちゃら』は更に勢いを加えて来て、江戸っ子たちのべらんめえや心意気がとても心地よかったです。 前作でも「江戸の人って、園芸好きなのねぇ」と感心してたんですが、園芸だけじゃなく庭造りにも情熱を傾ける人がたくさんいたんですね。庭の作り方(方…
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『花競べ ~向嶋なずな屋繁盛記~』/朝井まかて ○

よくお邪魔する読書ブログ〈Bookworm〉のすずなさんからお勧めいただいた作品。江戸の花師夫婦が出会う、ちょっとした出来事の数々が、イキイキと描かれていて、とても心地よく読めました。朝井まかてさんの作品は初読みなんですが、この『花競べ ~向嶋なずな屋繁盛記~』(単行本の時のタイトルは『実さえ花さえ』)が、デビュー作なんですよねぇ。すご…
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『望月のあと ~覚書源氏物語『若菜』~』/森谷明子 ◎

作者森谷明子さんが、あとがきで「源氏物語メイキング」を銘打っているこのシリーズ、3冊目になりました。「源氏物語」作者である紫式部こと・香子が「源氏物語」を書くにあたっての、様々な出来事と源氏物語の進みゆくさま、そして周りの人々の姿や思いが、イキイキと描かれていて、とても素敵です。 タイトル『望月のあと ~覚書源氏物語『若菜』~』とある…
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『白の祝宴 ~逸文紫式部日記~』/森谷明子 ○

『千年の黙 ~異本源氏物語~』の姉妹篇、だと思います、たぶん。 香子(紫式部)の物語の作り手としての矜持、物語を世に出すために折れざるを得なかったことへ苦悩などを描いた前作。本作『白の祝宴』は、中宮彰子の出産前後を記した『紫式部日記』の成立の経緯を描く、王朝ミステリーです。前作でも、登場人物たちを生き生きと描いた森谷明子さんの文章が素…
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